2024年 4月 23日 (火)

「報ステ」党首討論が大荒れ「学級崩壊」状態 安倍首相側「演出は卑怯」とテレ朝批判

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   参院選(2016年7月10日投開票)公示前としては最後に行われた党首討論は、発言中に他の党首が割って入る場面が相次ぎ、特に終盤は大荒れの「学級崩壊」状態だった。

   党首討論は16年6月21日夜にテレビ朝日「報道ステーション」で約45分にわたって行われたが、安倍晋三首相は、収録が予定よりも長引いたことを「スケジュールいっぱいなんですよ、おかしいでしょ、それ!」などと激怒。収録後もテレビ朝日に抗議し、フェイスブックでも秘書が「こちらが打ち切った様な印象を与える演出は卑怯」などと番組を非難する書き込みをするなど、「延長戦」の様相だ。

  • 富川キャスターは民進党・岡田代表を指名しようとしたのだが…
    富川キャスターは民進党・岡田代表を指名しようとしたのだが…
  • 富川キャスターは民進党・岡田代表を指名しようとしたのだが…

「答えましょうか?いいですか?」と他の人の発言に割って入る

   番組では、憲法と安保法制、消費増税、社会保障などテーマに議論。9党の代表者が次々に発言する中、安倍首相はたびたび手を上げて「答えましょうか?いいですか?」と他の人の発言に割って入ったり、他の人が意見を述べようとしたりすると「ちょっと待ってください」などと話し続ける場面が相次いだ。

   16年春に古舘伊知郎氏に代わって報ステキャスター起用された富川悠太アナにとっては、最初の国政選挙の党首討論の司会だった。その富川キャスターは、討論終盤にかけて時間切れになったことを告げながら、党首討論のあり方について

「テレビでの党首討論は今週が最後になる。安倍総理のご都合もあると聞いている。我々としてはどうしてもやりたいという気持ちがある」

などと話し、その直後に民進党の岡田克也代表を指名しようとしたところ、安倍首相がやはり「それね、お答えしましょう」と割って入ったところから、混乱が始まった。安倍首相が

「例えば菅(直人)政権の時に、報道ステーションに菅さん出なかったじゃないですか。ですが、(当時の)党首討論は4回ですよ。今度は5回。ネットの討論もやってますから回数は多い。それとプラス、もう1点は期日前投票が今、4分の1増えた。だから、その期日前投票の前にしっかりと議論を終えておくべき」

と主張すると、安倍首相は時計を見ながら、飛行機の時間を理由に

「ちょっと6時には出なきゃいけない」

と苛立った様子になった。

多数の出演者が言い合って聞き取れない状態に

   富川キャスターが改めて

「最後の一言をお願いします」

と岡田氏に発言を促すと、出演者が

「ちょっとこれ、(聞き取り不能)じゃないじゃない!これ」(安倍首相)
「一番喋ってますよ、総理」(生活の党と山本太郎となかまたち・山本太郎代表)
「最後の2週間に、党首討論がないのは異常ですよ!」(民進・岡田代表)
「始まるのが遅いんだよ!私も飛行機乗るんだよ!」(おおさか維新の会・片山虎之助共同代表)

などと一斉に発言。富川キャスターは

「皆さんの予定に合わせて開きましたので、この時間になってしまいました」

などと事態を収束させようとしたが、

「当落線上でみんな必死なんだから、スケジュールいっぱいなんですよ」(公明党・山口那津男代表)
「スケジュールいっぱいなんですよ、おかしいでしょ、それ!」(安倍首相)

などと怒りが収まらないまま収録が終わった。

   収録に居合わせた各メディアによると、安倍首相は収録後も

「6時までって言ったじゃないですか!」

などとテレビ朝日側に抗議し、その様子を民進党の岡田克也代表は

「あれが首相の姿かと思うとがくぜんとする」

と嘆いていた。

テレビ朝日は「放送に至る過程については、従来お答えしておりません」

   一部には安倍首相の態度が「大人げない」とする批判も出たが、安倍首相側は翌6月22日夕方、フェイスブック(FB)で反撃に出た。書き込みは秘書を名乗って行われ、

「報道ステーションの対応にはあきれました」

とテレビ朝日側を批判。18時終了を厳守するという条件で出演を了承したにもかかわらず、収録が約1分間長引いたことを強く非難した。

「にも関わらずこちらが席を立たなければならない事をわかっていて18時を過ぎてから質問を投げかけ、あたかもこちらが打ち切った様な印象を与える演出は卑怯です。国会では総理が1分遅れても陳謝或いは散会になります。みんなの大切な時間は守る事は社会人なら当たり前でしょう」(原文のママ)

   J-CASTニュースでは、テレビ朝日広報部に、安倍首相側からの批判に対して反論の有無を含めてコメントを求めたが、

「放送に至る過程については、従来お答えしておりません」

とのみ回答が返ってきた。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中