2024年 4月 19日 (金)

「HIV」隠して関係もつと犯罪になる? 男性怒りのブログ投稿で話題に

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   「HIVのキャリア(感染者)はもう恋愛とかやめてくれよ」――。こんなストレートな思いをぶちまけた匿名ブログの内容が、インターネット上で波紋を広げている。このブログは、交際していた女性から「性行為をした後にHIVキャリアだと打ち明けられた」という男性が投稿したものだ。

   ネット上の意見は、「ほんとにたちが悪い」「浅はかすぎる」など女性の対応を痛烈に批判する意見が圧倒的に大半だ。さらに、「HIVを隠して性交渉する」という行為をめぐっては、「法的責任が問われるのでは」との指摘も相次いでいる。

  • 「HIV」を相手に感染させた場合、傷害罪になる可能性も
    「HIV」を相手に感染させた場合、傷害罪になる可能性も
  • 「HIV」を相手に感染させた場合、傷害罪になる可能性も

「ハンマーで頭を叩かれたような衝撃だった」

   いまネット上で賛否を広げているブログは、2016年6月27日に「はてな匿名ダイアリー」に投稿された。「彼女がHIVを持っているというので別れたら」というタイトルで、交際していたHIV感染者の女性に対する怒りを率直につづっている。

   「ハンマーで頭を叩かれたような衝撃だった」。性的な関係を結んだ後で、「わたし実はHIVに感染していて・・・」と枕元で打ち明けられたという投稿者は、その驚きをこう表現している。続けて、相手に感染のリスクを負わせた女性を「卑怯者」と断じ、

「本当に相手のことを思っていたら、まずキャリアであることを伝えてから付き合うべき」
「そんなに大きな事実を隠して俺と交際していた彼女をどうやって信用しろと?」

と苦言を連発。検査の結果、投稿者はHIVには感染していなかったというが、「キャリアの人とは付き合えない」として女性とは別れたという。

   さらに投稿者は、別れた女性の友人から執拗な嫌がらせを受けているともいい、「HIVのキャリアはもう恋愛とかやめてくれよ。どれだけの他人の人生狂わせるつもりだ」などと呪詛のような言葉も残している。

   こうした投稿に対し、ブログのコメント欄などには、

「何一つ間違っていないと思う。その彼女ほんとにたちが悪い」
「同じ女性としても人間としても浅はかすぎる。隠してたことを恥じるべき」
「こういう命に関わることを事後報告する相手を受け入れろというのは無茶な話」

と女性の行為を批判する声が目立った。

   しかし、その一方で、

「『キャリアは恋愛するな』は暴論」
「HIV差別に捉えられる」

など投稿者の発言は「行き過ぎ」と指摘する意見もゼロではなかった。

HIVに感染させた場合は「傷害罪」に当たる可能性

   さらにネット上では、HIVを隠して性交渉に及んだ女性の行為をめぐり、「法的責任に問われるのでは」といった疑問も出ている。

   アディーレ法律事務所の鈴木淳也弁護士は6月28日のJ-CASTニュースの取材に対し、

「自分がHIVに感染していると認識した上で、故意に『うつしてやろう』と考えていた場合は、傷害罪にあたります」

と話す。ただ、傷害罪は暴行したけど傷害に至らなかった場合を除くと、「未遂」を処罰する規定がないため、罪に問われるのは「相手が感染した」場合のみになる。過去の判例でも、HIVではないが性病を相手に感染させたとして傷害罪が適用されたケースがあるという。

   傷害罪は法律上「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められている。ただ、鈴木弁護士は「HIVは完治が難しい重い病気であるため、罰金では済まないでしょう」として、数年の懲役刑が科される可能性が高いとみる。

   では、今回の女性のように、「故意に感染させるつもりがなかった」場合はどうなるのか。鈴木弁護士は、「過失と認定するのは難しく、感染させる可能性を認識しつつ認容していたら『未必の故意』があったと判断されるケースが多いのでは」と述べ、傷害罪が適用される可能性が高いと指摘した。

   ただ、過失が認められた場合は「過失傷害罪」(30万円以下の罰金)が適用されるという。

   なお、「自分がHIVだと知らないまま性行為におよび、相手を感染させてしまった場合」については、HIVウイルスに感染していることを知らなかったことについて本人の過失を立証することは「難しい」として、「刑事責任を問うのは難しい」と話している。

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