2024年 4月 25日 (木)

主要紙の社説、キレイに真っ二つ 「高浜原発40年超OK」への賛否

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   運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)の運転が延長されることになった。東京電力福島第1原発事故を受け、原発の運転期間は原則40年とされ、原子力規制委員会が認めた場合は最長20年間延長できるというルールになった。規制委は高浜1、2号機について2016年2月に安全審査の合格証にあたる「審査書案」を了承、6月には運転延長を認可した。新ルールで初めてのことだけに、賛否の論争が続いている。

   運転開始から40年になる老朽原発はこの間、関西電力美浜1、2号機(福井県)や九州電力玄海1号機(佐賀県)、伊方1号機(愛媛県)など6基の廃炉が決まった。いずれも出力が30万~50万キロワット級の小規模な原発。これに対し、高浜1、2号機は100万キロワット級で、この後、美浜3号機の延長も認められる見通しになっている。

  • 高浜原発1、2号機の運転延長をめぐる各紙の反応は…(写真は関西電力公式サイト)
    高浜原発1、2号機の運転延長をめぐる各紙の反応は…(写真は関西電力公式サイト)
  • 高浜原発1、2号機の運転延長をめぐる各紙の反応は…(写真は関西電力公式サイト)

小規模原発は廃炉、大規模は延長という流れ

   運転延長が認められるためには、開始から40年経過するまでに、新規制基準に基づく安全審査に合格し、設備の詳細に関する書類の確認、設備の劣化を調べるなどの審査をクリアする必要がある。合格するには、燃えやすい電源ケーブルを燃えにくいものに取り換えたり、原子炉格納容器上部の遮蔽(しゃへい)性を高めたりするなど、1基1000億円規模の対策が必要になる。このため、ある程度の出力でないと、費用を投じて延長する経済的メリットがないため、小規模原発は廃炉、大規模は延長という流れができているわけだ。

   高浜1、2号機の延長についてはマスコミも大きく報じているが、全国紙などの社説をみると、各紙のスタンスの違いがクッキリ表われている。

   「反原発」の論陣を張る「東京」・「中日」(6月21日)は、3.11後、安全対策に巨額の費用がかかることから老朽原発廃炉が世界の潮流になっていると指摘したうえで、関電が、ケーブルの6割を燃えにくいものに替えるだけ、あとは防火シートで包むという「簡易型」の対策で延長を申請し、規制委も了承したことをやり玉に挙げ、「『より厳しい審査を経て』という大前提はのっけから骨抜きだ。延長容認の基準は『安全性』ではなく『経済性』、3・11の教訓はもうほごか――。このように受け取られてもやむを得ない判断だ」と切り捨てる。

   「朝日」は4月、そして6月21日と、繰り返し取り上げ、明確に「認可に反対する」と宣言。電気ケーブルの火災対策のほか「運転延長後の耐震性を推定するために格納容器内の重要機器を実際に揺らす試験も、対策工事後に回して認可した」と規制委の対応を批判。

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