2024年 4月 20日 (土)

「コロッケ王子」藤井幸大、マックの「ポテト」に物申す! 「じゃがいもの揚げ物」のこだわりで徹底レビュー

   「選び抜かれたこだわりのじゃがいも」を使い、味付けは「塩だけ」――。マクドナルドの「マックフライポテト」は、同社が公式サイト上で「こだわりぬいた」と自信を見せる定番のサイドメニューだ。だが一方で、その「こだわり」に懐疑的な声もネット上には出ている。

   そこで今回は、食文化クリエイターで「日本コロッケ協会」会長兼理事長の肩書を持つ「コロッケ王子」こと藤井幸大氏に、マックフライポテトの「徹底レビュー」を依頼。原料の「じゃがいも」から調理に用いる「油」まで、専門家の立場から厳しくチェックして貰った。

「コロッケ王子」こと藤井幸大氏
「コロッケ王子」こと藤井幸大氏

「マッシュポテトを成型して作っているのか」

   「外はカリッと、中はホクホク」の食感で、子供から大人まで幅広い層の人気を集めるマックフライポテト。じゃがいもだけのシンプルな料理だからこそ、その調理法や食材にはマクドナルドの「こだわり」が詰まっている。

   原料には、アメリカ産のじゃがいもを丸ごとカットして使用。調理用の油に関しても、交換基準ルールに則って油を交換するなど管理を徹底している。だが、ツイッターやネット掲示板には、「マッシュポテトを成型して作っているのかな」「マックの油は体に悪そう」などと、その品質や安全面を疑うような声が漏れている。

   今回J-CASTニュースが白羽の矢を立てたのは、フライドポテトとコロッケの共通点である「じゃがいもを使った揚げ物」に詳しい専門家の藤井氏だ。食品コンサルティングや飲食プロデュースなど幅広く活躍する「プロ」の立場から、マックフライポテトの「原料」「油」「調理・加工法」について率直な意見を求めた。

コロッケ王子がポテトを「パクリ」
コロッケ王子がポテトを「パクリ」

   「芋の香りや揚げた時のホクホク感など、フライドポテトとコロッケには共通点も多いと思います」――。真剣な面持ちでこう語る藤井氏に、まずはポテトを試食して貰った。香ばしい香りが漂う揚げたてのポテトを口にするやいなや、「芋の甘味がしっかりと伝わってきますね」と満足気な様子。さらに続けて、

「マクドナルドのポテトは、やはり口に入れたときに歯に当たる食感が特徴的です。ここまでカリッと最初にきて、サクサクッとしたキレのある歯ざわりとホクホク感を感じられるのは、ちょっと他のフライドポテトにはない部分ですね」

として、その特徴を鋭く解説。

「じゃがいもをそのまま細くカットした特徴的な形状と、アメリカの加工場と店舗で『二度揚げ』するというこだわりが、こうした外はカリカリ、中はホクホクの食感を実現しているのではないでしょうか」

と、マックフライポテトを分析していた。

じゃがいもを丸ごと「ところてん」方式でカットする

   藤井氏はさらに、マックフライポテトの主な原料の1つになっている「ラセットバーバンク」というじゃがいもの特徴についても「芋のサイズが大きくて、火を通した際の『ホクホク感』がウリの品種になりますね」と解説した。

   また、じゃがいもを潰して成型するのではなく、丸ごと1つを「ところてん」のように押し出す方法でカットするという加工手法についても、

「芋をマッシュポテト状にすり潰してしまうと、揚げた際に中身がスカスカになってしまうんです。外側がカリカリでなおかつ中身がしっとりした食感を実現するためには、カットした芋を使わないとダメなんです」

として、ポテトの「おいしさ」を支える重要なポイントだと説明していた。

ポテトの品質を支えるマックの「こだわり」を解説
ポテトの品質を支えるマックの「こだわり」を解説

   続いて藤井氏が注目したのは、ポテトを揚げる際に使う「油」だ。「揚げ物にとって油は命です」と断言する藤井氏によれば、「同じ材料を使っていても、揚げる際の油によって味は全然変わってくる」のだという。

   マクドナルドがポテトを揚げる際に使用している「牛脂とパーム油のブレンド油」の特徴については、

「ポテトは細い形状ですので、油が染み込んでしまうとギトギト感が出てしまうんです。その点、パーム油は油切れが良くてカリッと揚がるのが特徴です。これに牛脂をブレンドすることで、『うまみ』を足しているのではないでしょうか」

と分析した。

   また、マクドナルドの店舗では酸化測定を毎日実施しており、その基準に厳密に従って油を交換している。藤井氏はこの点についても、「油の品質を保つための管理を徹底している点も、ポテトの商品価値を保っている『こだわり』に当たるでしょう」と感心していた。

おススメの食べ方は、コレをたっぷりとつけること

   このように、マクドナルドのポテトに対する「こだわり」を様々な面から分析してきた藤井氏が、取材の終わりに専門家ならではの「豆知識」を披露してくれた。

   藤井氏によれば、じゃがいもは皮に近い部分の方が「糖度が高くなっている」という。そのため、マックフライポテトの場合も「芋の外側にあたる短い部分の方が、芋の甘みが強く感じられます」という。

   ちなみに、藤井氏がオススメするポテトの食べ方は、チキンマックナゲット用の「マスタードソース」(ナゲットを注文せずとも、30円で個別に購入できる)をたっぷりとつけるもの。

「鼻に抜けるマスタードの香りが心地よく、サッパリと味わうことができます」

とのことだ。


藤井幸大プロフィール

北海道札幌市出身の実業家。サンマルコ食品株式会社マーケティング本部長として、食品コンサルティングや飲食店プロデュースを手がけるなど幅広く活躍。2012年に一般社団法人「日本コロッケ協会」を立ち上げ、会長兼理事長に就任。メディア出演やイベント開催を通じて、コロッケ文化の発展とマーケット拡大に尽力している。


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