中国は「市場経済の国」なのか 欧米が認めたくない大きな理由

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   中国を「市場経済国」と認めるか、否かをめぐり、日米欧と中国のせめぎ合いが続いている。世界貿易機関(WTO)協定上の認定の問題で、根底には中国による鉄鋼製品などのダンピング(不当廉売)輸出がある。2016年末の「期限」をにらみ、さや当ては佳境に差し掛かろうとしている。

   新興国などでは、政府が企業の生産や輸出に実質的な補助金を出すなど、適正な製品価格が分かりにくい場合がある。WTO協定は、こうした国を「非市場経済国」として、ダンピングへの対抗措置をとりやすくしている。例えば、別の国の製品価格などを基準に対抗措置をとることが可能といった具合だ。

  • 中国は「市場経済国」なのか
    中国は「市場経済国」なのか

「認定」の期限は2016年12月

   中国は2001年のWTO加盟に際し、15年間はこの非市場経済国扱いを受け入れると誓約した。その期限が2016年12月11日。中国は、その時点で自動的に市場経済国に移行すると主張するが、日米欧はすんなり認めない構えを示し、対立している。

   中国問題の構図は、こうだ。中国では経済に大きなウェートを占める国有企業が、非効率なまま存続している。政府も構造改革の必要は認めるが、大ナタを振るえば失業の増加など社会不安をあおりかねず、生産設備の廃棄など思い切った手がなかなか打てない。このため、特に鉄鋼や石炭などの生産過剰が解消されず、これらの製品が安値で輸出されている。これがいま、世界経済の大問題になっている。

   欧州では、2015年末時点で発動している反ダンピング課税67件のうち、中国製品が約8割にあたる52件を占める。市場経済国に認定されれば、反ダンピング税などで対抗しにくくなり、欧州で最大350万人、米国でも鉄鋼業界だけで40万~60万人の雇用が失われるとの試算もある。

   そこで欧州連合(EU)がまず活発に動いている。欧州議会が5月に中国を市場経済国と認定すべきでないとする決議を圧倒的多数で可決したのをうけ、執行機関の欧州委員会は7月20日、市場経済国と認定しない基本方針を決めた。

   ただし、欧州が強硬一点張りというわけではない。中国との経済的なつながりが強まっているため、必要以上の対立は回避したいところ。そこで、EUの反ダンピング制度を見直す方針で、具体的には、ダンピングが疑われる場合、市場経済国か否かの認定に関係なく、国際価格を考慮して判定し、反ダンピング措置を採れるようにする方針だ。

   他方、米国ではもっと政治的な問題になっている。ルー米財務長官は6月16日、米国として中国を市場経済国として認定するか、しないかは、「米国の商務省が決めることだ」と述べた。これは、中国政府による国有企業改革などの進展を見て判断する、つまり、現状では認めないという意味と解釈できる。

   実際、オバマ政権は、中国が鉄鋼を不当に安く輸出しているとして反ダンピング課税をかけるなどの対抗策を強化してきている。大統領選では「米国第一」のトランプ氏(共和党)だけでなく、民主党の候補に決まったクリントン前国務長官も選挙キャンペーンの中で「中国を市場経済国と認定すべきではない」と言明している。

   日本は5月の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で、中国の市場経済国としての認定問題で、緊密な連携を確認したことから、欧米に歩調を合わせていく考えだ。

中国指導部も意見が割れている?

   中国は協定通りの市場経済国認定を求めてWTOに提訴する構えを見せるとともに、「鉄鋼などの貿易問題は2国間・地域の対話で適切に解決したい」(李克強首相)というのが基本的な立場だ。

   また、7月22日には、北京の釣魚台国賓館で李首相が主宰し、WTOのほか国際通貨基金(IMF)、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)などのトップとの異例の座談会を開催。中国政府が過剰生産能力の削減などの「供給側(サプライサイド)改革」に取り組み、過去3年間で計1億5000万トン近い鉄鋼生産能力を削減したと語り、経済の体質強化への取り組みをPRした。さらに24日には日韓や欧州から輸入された一部特殊鋼板に報復の反ダンピング関税を課すと発表して揺さぶりをかけるなど、巻き返しに必死だ。

   同じ24日、中国・成都で開かれていた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明は「過剰生産を含む構造問題が世界経済に負の影響を与えている」と、この間の国際会議と同じ表現を盛り込んだ。中国も問題解決の必要は認めたということだが、具体的な道筋が示されたわけではない。

   「中国指導部内で、抜本的な構造改革と、目先の景気のどちらを優先するか、意見が割れている」(国際関係筋)との分析もあり、方向性がはっきり見通せない中、市場経済国認定問題も、12月に向け、まだまだ曲折がありそうだ。

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