2024年 4月 24日 (水)

三菱商事の真の狙い ローソン子会社化の懐事情

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   三菱商事がコンビニエンスストア3位のローソンを子会社化することになった。ローソンの国内店舗網は1万2000店余りで、首位セブン-イレブン、サークルKサンクスと統合した2位ファミリーマートよりも5000~6000店少ない。海外店舗網も上位2社に大幅に出遅れている。ローソンは三菱商事との関係を強化し、商品に競争力を持たせることなどで上位2社を追撃する。三菱商事にとっては浮き沈みの激しい資源ではなく、食品などの非資源系ビジネスを強化する狙いがある。

   2016年9月16日の発表によると、三菱商事は現在もローソン株を議決権ベースで33.47%持つ筆頭株主だが、17年1月をめどに実施する株式の公開買い付け(TOB)によって50.10%に出資比率を引き上げる。株式を買い増すために投じる資金は1440億円程度となる見通し。三菱商事の世界的なネットワークを生かして食材などを調達し、商品力を高めたい考えだ。

  • ローソンの玉塚元一CEO(写真は16年2月撮影)
    ローソンの玉塚元一CEO(写真は16年2月撮影)
  • ローソンの玉塚元一CEO(写真は16年2月撮影)

新浪氏サントリー転身の余波

   ローソンは、もともとダイエーグループのコンビニチェーンとして誕生し、国内各地に出店した。いち早く「全47都道府県出店」を果たすなど、先駆者の一面もあった。しかし、1990年代以降にダイエーが凋落して影響力を失う一方、食材供給などで取引関係にあった三菱商事が徐々にローソンとの関わりを強めてきた。そして2000年、三菱商事はローソンに資本参加して以降、持ち株比率を段階的に高め、新浪剛史氏のような経営者も送り込んできた。

   ただ、リーダーシップや胆力、発言力のある新浪氏は影響力が強すぎた面があった。2002年に社長に就任した新浪氏は「三菱商事出身者」というよりむしろ「個性的な経営者」の色合いが濃くなっていった印象だ。このためもあって、三菱商事とローソンの関係が強まる方向に向かわず、ローソン社内では「三菱商事といえども一取引先」との意識が残ったままだったと指摘する向きもある。

   転機が訪れたのは、2014年。その年5月に社長を退いて会長となったばかりの新浪氏が、10月にサントリーホールディングス社長へ華麗なる転身を果たしたのだ。コンビニに商品を供給する側で、しかもナショナルブランド「サントリー」のトップになった以上、すべてのコンビニに対して全方位外交が必要な立場となり、ローソンへの影響力は一気に薄れた。トップ人事で三菱商事がローソンへのグリップを強める第一段階と言える。

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