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「新党」候補者擁立への布石? 小池知事が政治塾で求めるのは「プレーヤー」

   東京都の小池百合子知事(64)が立ち上げた政治塾「希望の塾」の開塾式が2016年10月30日午前、都内のホールで行われた。応募者は4827人で、書類選考などを経て選ばれた2902人が入塾した。

   今回の政治塾立ち上げが「小池新党」結成の布石ではないかとの見方も広がる中、開塾式で小池氏は塾生に対して「批評家ではなく、プレーヤーとして参加」してもらう方向性を目指すと発言。17年夏に都議選が迫り、年明けの解散総選挙も取り沙汰される中、塾生の中から候補者が擁立されるかが今後の焦点になりそうだ。

  • 「希望の塾」開塾式で挨拶する小池百合子氏(16年10月30日撮影)
    「希望の塾」開塾式で挨拶する小池百合子氏(16年10月30日撮影)
  • 「希望の塾」開塾式で挨拶する小池百合子氏(16年10月30日撮影)
  • 講演終了後、記者団の取材を受ける小池氏
  • 会場の収容人数の都合から、開塾式は4回に分けて行われた

20代前半男性から年配女性まで

   記者が会場に着いたのは朝9時過ぎ。開塾式が始まる約1時間前だが、すでに周辺には入場を待つ参加者で長蛇の列ができていた。参加者の層は幅広く、20代前半とみられるビジネスマン風の若い男性から、比較的ラフな服装をした年配の女性までみられた。

   入塾者が当初の予想を大幅に上回ったため、会場となったホールの収容人数の都合から4回に分けて実施された開塾式。その午前の部で挨拶に立った小池氏は、

「皆様から頂いた都政への熱い思いを、どうやって都政に反映していけるかを考え、(『希望の塾』を)立ち上げました」

と説明。その上で、入塾者に対しては「行政や政治のツボを学んで頂き、政治についてより学びを深めて欲しい」と呼びかけていた。

   また、塾の方向性については「(参加者が)インタラクティブ(双方向)に学び合いながら、すばらしい都政を目指せるものにしたい」とした上で、

「塾生1人1人が批評家ではなく、プレーヤーとして参加して頂ける方向を目指したい」

と述べていた。

「投票に行くとか政治活動を支えるとか...」

   17年7月の任期満了による都議選に向けた新党結成の「布石」との見方も広がっている今回の政治塾立ち上げ。小池氏は16年10月21日の定例会見で、政治塾について「学びの場として作らせていただいたもの。それ以上でも以下でもない」と説明していた。

   とはいえ、10月23日に投開票された衆院東京10区と福岡6区の補選で、小池氏が支援した自民党が勝利したことを追い風に、政治塾と「小池新党」が強く関係するとの見方は根強い。今回の政治塾の事務局メンバーの1人の音喜多駿都議(かがやけTokyo)も23日のブログで、塾への申込者が4000人を超えたことなどに触れた上で、

「個人的な所感にはなりますが、いわゆる『小池新党』の可能性はむしろ高まったと見ています」

と分析していた。

   今回の「プレーヤー」発言をめぐっては、開塾式での記念講演終了後に行われた囲み取材で「塾生の中から候補者を擁立したいということなのか」という質問が飛んだが、小池氏は

「批評ばかりするのではなく、投票に行くとか政治活動を支えるとか、色々なことがありますので。だから、行動を起こしましょうということです」

とかわしていた。