NHKは熱心、民放は及び腰 「TV番組ネット同時配信」の行方

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   テレビ番組をインターネットで同時配信することについて議論する総務省の有識者会議がスタートした。現行の法令では、NHKが災害情報などを除く通常の番組をネットで同時に配信することを禁じており、この扱いが最大の焦点になる。民放はネット同時配信を禁じられていないが、総務省内には積極的な配信を求める声もあり、この点も議論される見込み。ただ、民放キー局が同時配信を始めると地方の民放局は存在意義を失いかねないなど問題も多く、キー局は慎重だ。

   有識者会議は情報通信審議会(総務相の諮問機関、会長・内山田竹志トヨタ自動車会長)の政策部会が設置を決めた委員会で、2016年10月19日に初会合を開催。17年6月に中間報告、18年6月に最終的な答申を出す方針だ。諮問内容をかみくだいて言えば、「動画も視聴できるほどに高速化したインターネット、動画が見やすくなったスマートフォンの普及によって若い人は従来のテレビ受像器でテレビ番組をあまり見なくなり、スマホでユーチューブやSNSなどにアップされる映像をみている時間が長い。こうした事態を受けた放送局やテレビ番組のあり方を議論してほしい」ということだ。

  • ネット同時配信をめぐり議論が白熱
    ネット同時配信をめぐり議論が白熱

総務省の有識者会議設置の狙い

   具体的に答申を求めるのは(1)テレビ番組のネット配信をどう考えるか、(2)ネット配信で大量データが流れる通信インフラはパンクしないか、(3)ネット配信の著作権管理などは大丈夫か――ということになる。「ネット配信する場合の課題を詰めて、その解決策を導き出してほしい」というのが、総務省の有識者会議設置の狙いだ。

   放送法がNHKにネット配信を禁じているのは、NHKの経営を支える受信料のあり方に直結する問題だからだ。民放番組であれば、テレビ受像器でもネット動画でも広告が挟まれたものを見る視聴者は基本的に無料なので、NHKのような不公平感が即座に発生することはない。そこで、有識者会議ではNHKの受信料についても議論を深めることになりそうだ。一人暮らしの若年層の間では、テレビ受像器すら持たない人も珍しくない。年を追ってテレビを持たない世帯が増えるなか、受信料徴収にネット配信を加える放送法改正の議論は、受信料収入の先細りが懸念されるNHKが近年、強く望んでいた話だ。

   NHKはネット配信自体にも熱心。今夏のリオデジャネイロ五輪での実験では、計50時間近くを配信し、若者層を中心にアクセスがあったという。もちろん、熊本地震のような災害が発生した場合にテレビ受像器のない人がスマホ経由で情報を得られるのは有意義だ。しかし、ネット動画のみを見ている人から受信料をどう徴収するかは、なかなか難しい問題だ。

地方局への影響

   今は家の中にテレビ受像器があれば受信料が発生することになっているが、パソコンやスマホを持っているだけで受信料を徴収するのは無理がある。このため、既に導入している、NHKが過去に放送した番組をネットで視聴する際に課金する「NHKオンデマンド」を同時配信に発展させた仕組みなどが検討されることになりそうだ。あらかじめ料金を払った人が設定したパスワードなどを書き込むと番組を見られるようにするものだが、果たしてどのくらい人にあらかじめ料金を払ってもらえるかが課題となる。

   一方、民放キー局が番組を同時配信した場合、地方局の影響は深刻だ。地方局はキー局の人気番組を見られることが存在意義の一つ。ネット経由で見られるとなれば、視聴者が減り、広告収入を直撃し、経営の屋台骨が揺らぎかねない。キー局もネット配信動画にどのくらい広告がつくか分からないうえ、出演者らの著作権管理が複雑になるため二の足を踏んでいるのが実情だ。

   ただ、ネット配信を巡る世界の動きは速い。米国ではこれまで普及してきた有料ケーブルテレビの契約を打ち切り、アマゾンなど定額課金のネット動画配信サービスで映像を見る動きが拡大。「ネットフリックス」のようにコストをかけた自作番組などを含めて配信する「ネットTV」も人気を得る。ネットフリックスは昨(15)年日本に上陸、芥川賞作「火花」のドラマ化などで攻勢をかける。

   総務省としてはこうした「黒船」を迎え撃つためにもNHKや民放のネット配信による奮起を促すが、利害関係が錯綜するだけに、どんなペースで、どこまで実現するかは見通せない。

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