「T字路」、本来は「丁字路」  ヒルナンデス!炎上で発覚した芸能人の語彙力

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   直角に交わった三叉路のことを、日本語では本来、「丁(てい)字路」と呼ぶ。

   しかし、現在はアルファベットの「T(ティー)」を用いた「T字路」がよく使われるため、お年寄りなどが「ていじろ」と発音しているのを聞き、なまっている、と誤解する人もいる。そんな勘違いから、芸能人がテレビ番組でお年寄りの丁字路発言を笑いものにしたとして、インターネット上で「炎上」騒ぎが起きる事態になった。

  • 「T字路」と表現しても問題は無い(写真はイメージ)
    「T字路」と表現しても問題は無い(写真はイメージ)

そのリアクションっていじめだよね?

   問題の番組は2016年11月4日放送の日本テレビ系情報番組「ヒルナンデス!」。この日は群馬県高崎市を起点として話題の店を訪ね歩く企画だった。上信電鉄上信線の「吉井駅」に降り立った出演者4人が小龍包の入ったパンを売る店を探して道を歩いていた時に、男性のお年寄りに道を尋ねた。男性がパン店の名前を「パリジャン」というと、お笑い芸人の陣内智則さんが、

「まさか、お父さんの口からパリジャンという言葉が出るとは・・・」

と驚いて見せた。さらに、このお年寄りが、

「信号があるよね?それを左に曲がって道なりにずーっと行くと、丁字路になるんですよ」

と道案内をすると、陣内さんは、

「ていじろ、ですか?」

と聞き返した。そして、またお年寄りが「丁字路」と言うと、今度は一斉に出演者4人が笑った。道すがら4人は「丁字路」がよほど気に入ったのか「丁字路」と「T字路」を交互に言いながら歩き、お笑いコンビ「たんぽぽ」の川村エミコさんは、

「丁字路に持って行かれて、ちゃんと(道案内を)聞いていませんでしたね」

などと語ったことで、また出演者4人の笑い声が響いた。

   これが「炎上」の始まりで、当初は「お年寄りをバカにするのは許せない」といった批判がツイッターや掲示板に出た。しかし、お年寄りがなまっていると思っている人も多く、画面上にしつこく「丁字路」という文字が出たことに関しても、番組スタッフが総出でお年寄りをネタにしようとしているとし不快感を示していた。

   しかし、そのうち、ネット上では「丁字路」は間違いではないという指摘が出るようになり、ツイッターや掲示板には、

「丁字路が正しいかどうかよりも、教えてくれた人を笑いものにするセンスが嫌」
「T字路でも丁字路でもいいけど、そのリアクションってとらえ方によってはいじめだよね」
「何の罪もないお年寄りを笑い者にするようなタレントと、それをことさら強調して晒し者にした番組は許さない」

などといった批判が連投された。

明治時代の小説などには、「丁字路」が頻繁に使われている

   今回の「炎上」騒ぎで、「丁字路」が正しいのかそれとも「T字路」なのか分からない人が多く存在する事も明らかになった。実は04年11月3日放送の無駄な知識を紹介するフジテレビ系の番組「トリビアの泉」でも、この話題が紹介されていて、あのタモリさんですらうろ覚えで、女優の浅野ゆう子さんら出演者全員が分からず、出題投稿者には記念品が贈られている。

   さて本当のところはどうなのか。NHKオンラインのサイト上に「NHK放送文化研究所」のページがあり、そこに詳しい説明が掲載されている。もともとは伝統的なことばとして「丁」の字のような形のものを「丁字(形)<ていじけい>」と呼び、明治時代の小説などには、「丁字路」が頻繁に使われている。そのうちアルファベットが普及し、「丁」と「T」の字と「テイ」と「ティー」の発音が似ていることから「T字路」という言葉が生まれたということのようだ。

「『T字路』のほうがむしろ正しい形だ、と思っている人も増えているようです。『ティー』ときちんと発音できない人がしかたなく『テイジロ』と言うのだ、と考えているのでしょうが、これは誤解です」

と書いている。ただし、現在は「T字路」もよく使われているため、放送ではおおむねどちらを使っても問題はないとしている。

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