マエケン新人王落選にみる大リーグの大いなる矛盾

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   大リーグの新人王候補だったドジャース前田健太は予想外の記者投票3位に終わった。

   高額契約の日本人選手は敬遠されている、との話が裏付けされた結果なのだろうか...。

  • 前田健太の1年目。文句ない実績だったが、なぜか新人王を逃した
(画像は前田健太選手のインスタグラムより)
    前田健太の1年目。文句ない実績だったが、なぜか新人王を逃した (画像は前田健太選手のインスタグラムより)

ロスでは「ケンタ」賞賛の嵐

   2016年の前田は16勝11敗と立派な成績を残した。なによりもシーズンを通じてローテーションを守ったことの評価は高い。

「前田なくしてドジャースのポストシーズン進出はなかった」

   これは記者たちの一致した見方だった。地元ロサンゼルスでは「ケンタ」を絶賛する声ばかりである。

   ところが11月14日(日本時間15日)に発表されたナ・リーグ新人王は同僚の打者で、打率3割8厘、26本塁打、72打点コリー・シーガーが選出された。

   前田とシーガーの比較は、突き詰めれば16勝と26本塁打の勝負だった。判断は難しいけれども、すくなくとも前田の3位はないだろう。つまりライバルにもならなかったというわけである。

   現在の大リーグで20勝投手は極端に少ない。前田の勝利数は一流といっていい。内容を見ればよく分かる。

   1イニングあたりに許した走者は1.139人で、平均の1.25人を上回っている。またコントロールを表す三振と四球の比率では、3.58をマーク。これは一流の証である3.5を超える数字となっている。

日本プロ野球は3A格

   実はかなり前からこんな見方がメディアの中であった。

「高額契約で日本のプロ野球からやってくる日本人は新人の資格があるのだろうか」

   これまで新人王になったのは野茂英雄(13勝)佐々木主浩(37セーブ)イチロー(打率3割5分)。野茂は無名新人並みの年俸だったが、その他は高額年俸である。その後、15勝の松坂大輔、16勝のダルビッシュ有、13勝の田中将大はことごとくはじかれた。

   確かに何十億の契約で大リーグ入りした日本選手は、いわゆるボーナスベビーの新人をはるかに超える条件であり、素直に新人といえないかもしれない。それならば規定を設けて新人にあたらないとすればいい。

   そんな高額新人を新人王候補枠に入れているのは、大リーグは日本プロ野球を「3A格」と位置付けているからである。新人資格を与えないとすると、日本をメジャーと同格と認めることになる。そこはプライドが許さないのだろう。

   その半面、イチローの記録に見られるように、日米通算記録で大々的に取り上げている。大いなる矛盾ではないかと思う。

   大リーグの記者投票は昔から首をかしげる結果が多い。天才選手のテッド・ウィリアムスなどは三冠王になってもMVPから落とされた。「ウィリアムスはマスコミと敵対関係にあった」からというのが定説になっている。要するに投票記者の好き嫌いが票に反映されるからである。人間らしい話といえばそれきりなのだが...。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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