「東電の本音」vs「経産省のメンツ」 新電力めぐる「勧告」のウラ事情

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   経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会は2016年11月17日、東京電力ホールディングス(HD)傘下で電力小売り事業を担う「東京電力エナジーパートナー」(東電EP)に業務改善を勧告した。事業者間で電気を取引する「卸電力取引所」に不当に高い売り注文を出し、価格をつり上げていたとしている。電力小売り自由化によって新規参入した「新電力」と呼ばれる事業者の電気の調達を妨げることにつながり、4月に全面自由化したばかりの電力小売市場への影響が大きいと判断した。

   監視委は6月、東電HD傘下で送電線を管理する「東京電力パワーグリッド(PG)」にも改善勧告を出しており、東電グループに対する改善勧告は2例目。東電PGに対しては、東電PGの送電網を利用する新電力への電力使用量の通知遅れが問題になった。2例に通じるのは、新電力による電力供給普及に壁を作るとも受け取れる動き。自由化に背を向けるかのような東電グループの体質が問われそうだ。

  • 両社の思惑が交錯する
    両社の思惑が交錯する

「相場操縦にあたる」と批判

   今回の勧告で問題視されたのは、卸電力取引所での電気のやりとりだ。取引所の売り主は主に東電EPで、買い主は主に新電力となっている。東電EPは東電グループの発電部門から電気を買い、一般家庭などの契約者に供給するほか、卸電力取引所にも販売している。監視委によると東電EPは4月1日~8月31日の間、卸電力取引所で不当に高い価格で売り注文を出し、電気の価格をつり上げていた。「つり上げ」は平日昼間の時間帯の約6割に及んだ。つり上げ価格は最大で本来あるべき価格より約3割程度上昇していたという。

   もちろん、自由で公正な市場であれば、不当に高い価格を提示したところで誰にも相手にされず、購入者は現れない。その結果、適正な価格に収斂していくのがまともな市場というものだ。ところが、卸電力取引所における東電EPは巨大なプレーヤーなだけに、取引価格形成への影響は大きい。工場などに併設する自前の発電所を持つ新電力もあるが、自前の発電所を持たない新電力は取引所からの調達に頼らざるを得ない。取引所に集まる電気は国内供給量の2~3%程度にとどまるとはいえ、価格がつり上がってしまうと取引所に頼る新電力はまともに電力大手と競争することができなくなる。監視委は東電EPの振る舞いは新電力に対する嫌がらせの意図があった可能性があるとして、「相場操縦にあたる」との手厳しい表現を用いて批判。「小売市場への新規参入を阻む行為だ」とも指摘した。

電力小売り全面自由化は「かけ声倒れ」?

   ただ、改善勧告と同じ日に記者会見した東電EPは「相場操縦の意図はなかった」との見解を示した。とはいえ、「下限価格」なるものを設けて一定価格以上で売り注文をする仕組みがあったことは認めており、この下限価格は自主的に撤廃したとしている。東電グループにすれば、原発再稼働がなかなか進まないなかで契約者がどんどん新電力に切り替える事態は経営に直撃するだけに避けたいところ。そんな思いの強さが「つり上げ」につながった可能性はある。

   4月に電力小売り全面自由化で一般家庭も新電力から電気を買えることになった。ただ、大手電力から新電力への切り替えは都心部を中心に3%程度にとどまっている。関心ある人の切り替えは終わっており、今後さらに伸びていくとはみられていない。監視委を所管する経産省とすれば、電力小売り全面自由化の初年度にあたり、「かけ声倒れ」になりかねない新規参入を妨げる行為を見過ごすわけにはいかなかったようだ。

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