2024年 4月 25日 (木)

幸福の科学、独自定義の「出家」 清水富美加の生活はこうなる

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   宗教団体「幸福の科学」に「出家」したと発表した女優の清水富美加さん(22)は、これからどんな「出家」生活を送るのか。過去に、様々な宗教での「出家」が報じられた著名人は、これまでの環境を離れて生活を送ることが多く、主要な辞書でも、「出家」は「家を出て仏門に入ること」だと説明されている。

   ただ、幸福の科学は、教団職員を「出家者」と位置付けており、「出家生活」は「社会と隔離された集団生活ではない」と説明。広く知られている「出家」のイメージとは異なっている。

  • 清水さんが発表したコメントでは、「出家しました」の部分が大きく書かれていた
    清水さんが発表したコメントでは、「出家しました」の部分が大きく書かれていた
  • 清水さんが発表したコメントでは、「出家しました」の部分が大きく書かれていた

「職員としての採用が決まった時点で、出家が決まったことになります」

   幸福の科学の2016年の職員採用ページには、「幸福の科学の職員(出家者)」という表現がある。この点について、J-CASTニュースが

「宗教法人幸福の科学の職員に採用されれば、住んでいる環境や場所にかかわらず『出家』した、ということになるのでしょうか」

と確認したところ、幸福の科学グループ広報局は、

「職員としての採用が決まった時点で、出家が決まったことになります」

と回答。出家生活については、

「社会と隔離された集団生活ではなく、基本的には現代的な社会生活と変わりません。家族とともに居住する場合もあります」

と説明した。具体的な生活スタイルについても、

「朝の祈りから始まり、仏神への感謝と人々への救済を常に考え続けながら、教団の指導者の一人として清浄な生活を送るものです」

と説明した。12日の記者会見では、法名として「千眼美子」という名前で活動していくことも発表されている。

   清水さんは、家族が元々幸福の科学の信者でもあり、文字通り「家を出る」ということではないようだ。

過去の著名人の「出家」は荒行、教団施設生活...

   過去に「出家」が注目された著名人には、作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(94)や日劇ダンサーとして知られた鹿島とも子さん(66)のケースなどがある。瀬戸内さん(94)は、すでに作家として有名だった1973年秋、岩手県平泉町の中尊寺で行われた得度式で51歳にして「出家」。名前も「晴美」から「寂聴」に改め、比叡山の荒行に臨んだ。

   鹿島さんは1994年、オウム真理教(当時)に息子とともに出家。「サティアン」の異名で知られた山梨県内の教団施設で暮らしたが、長女を教団施設に監禁した罪で有罪判決(懲役2年、執行猶予4年)を受け、後に脱会している。

   主要な国語辞典でも、「出家」は

「家を出て仏門にはいること。俗世を離れ仏法修行の道にはいること。しゅけ」(精選版 日本国語大辞典)
「家を出て仏門に入ること。俗世間をすて、仏道修行に入ること。また、その人。僧」(広辞苑 第6版)

と説明されている。しかし、幸福の科学では、こうした解釈は取っていないことになる。

   では、幸福の科学の職員となった清水さんの活動はどうなるのだろうか。これについて、J-CASTニュースの取材に対し、

「健康が回復した後、ご本人の希望を汲みつつ、人助けのプロとなるべく、まずは精神的修養を積んでまいります」

と説明している。

幸福実現党との関係はどうなる

   幸福の科学は、総裁の大川隆法氏が1986年に設立。「エル・カンターレ」を信仰の対象としており、公式サイトでは、「エル・カンターレ」を

「地球の至高神であり、イエス・キリスト、孔子、ソクラテス、ムハンマドなどを地上に遣わした『神々の主』」

だと説明。幸福の科学では、大川氏が「エル・カンターレ」として日本に生まれたとされている。1990年代には、他の新興宗教からの改宗者などを獲得して信者数を伸ばし、作家の故・景山民夫さん、女優の小川知子さん(68)ら著名人が入信したことでも話題になった。写真週刊誌「フライデー」の大川氏や教団に関する報道に対して大規模な抗議活動を展開したことも話題になった。

   一方、幸福の科学は、「幸福実現党」の母体ともなっている。16年夏の参院選に際してJ-CASTニュースが行ったアンケートでも、「経済政策、国防政策を評価」するとして、同党を支持すると表明している。その幸福実現党は、ウェブサイトで公開している政策集で

「実質3%・名目5%以上の経済成長」
「消費税の再増税中止・消費税率の5%への引き下げ」
「自衛のための核装備」
「国防債」

といった極めて独自の政策を掲げている。それ以外にも、

「国家運営の長期的な理想モデルとして、無税国家を目指します」
「ユーラシア大陸を一周するリニア鉄道を実現し、世界を結びます」
「月と火星の都市建設を日本の国家目標とします。資金調達のために宇宙事業債を発行します」

といったユニークな政策が目白押しだ。

   では、教団職員となった清水さんが、幸福実現党の政策をPRすることはあるのか。

   J-CASTニュースの取材に対し、幸福の科学は、清水さんの幸福実現党への参画は「ありません」とし、

「『人道的な映画への出演を通じて、多くの人に夢や希望を届けたい』という、かねてからの彼女の願いを大切に、今後について考えて参ります」

と説明している。

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