2024年 4月 24日 (水)

三越伊勢丹のトップ交代劇 水面下で起きていた「異例の事態」

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労働組合が経営陣に対して大西氏の辞任を要求

   さらに、大西氏は2016年11月の中間決算発表で、地方4店の具体名を挙げ、閉鎖も含めた検討を進めると表明した。現場は激しく動揺したが、社内で正式決定した話ではなく、大西氏のトップダウンだった。大西氏の独断専行ぶりに社内の不満は頂点に達し、労働組合が石塚邦雄会長ら経営陣に対して大西氏の辞任を要求する異例の事態に発展した。

   2017年2月に入り、社外取締役らは混乱収拾に向けた協議を本格化し、「業績も悪化しており、辞めてもらうしかない」(役員)との結論に至った。解任となれば百貨店のイメージにもかかわるため、石塚氏ら役員が「本人を説得し、自ら辞任した形を整えた」(同)という。

   辞任があまりにも突然だったがゆえに、経営統合後も続く伊勢丹と三越のあつれきが引き金になったという見方も多い。確かに社内には地方店が多い三越側にリストラが集中することへの不満も出ていたが、ある社外取締役は「退任の理由は、あくまで大西氏の経営者としての資質」と断言する。

   これまで大西氏を経営戦略本部長として支えてきた杉江新社長は、大西路線を「基本的に引き継ぐ」としながらも、「成長事業の育成より構造改革を優先する」と話した。しかし、インターネット通販が台頭し、消費行動が激変する中で、百貨店を立て直す秘策は見えない。社長の突然の辞任劇に揺れる社内の融和も急務で、杉江氏の手腕がさっそく試されそうだ。

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