2024年 4月 20日 (土)

米国務長官、北朝鮮に「警告」 空母の運用にも動き

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   シリアへの攻撃に踏み切った米国のトランプ政権が、北朝鮮に対しても改めて強硬姿勢を示している。ティラーソン国務長官はシリア攻撃と北朝鮮との関連について聞かれ、「他国の脅威になったりした場合、ある時点で何らかの反応をすることになる」と発言。北朝鮮に対しても何らかの「反応」がある可能性を警告した形だ。

   一方の北朝鮮は、「核戦力を強化してきたのは正しかった」と主張。近く6回目の核実験を強行する可能性もあるとみられている。

  • 西太平洋に派遣されている米原子力空母のカールビンソン。米国と北朝鮮の間の緊張が高まりそうだ。
    西太平洋に派遣されている米原子力空母のカールビンソン。米国と北朝鮮の間の緊張が高まりそうだ。
  • 西太平洋に派遣されている米原子力空母のカールビンソン。米国と北朝鮮の間の緊張が高まりそうだ。

正恩氏暗殺計画は「承知していない」

   ティラーソン国務長官は2017年4月9日(米東部時間)放送のABCテレビのインタビューに答え、

「先週のシリア爆撃というトランプ大統領の判断から、北朝鮮はどういったメッセージを受け取るべきだと思うか」

と問われ、一般論として

「どのような国でも、国際的な慣習や合意に違反したり、義務を果たさなかったり、他国の脅威になったりした場合、ある時点で何らかの反応をすることになる」

と述べた。北朝鮮については

「我々の目的は朝鮮半島の非核化だという点は、これまでも非常にはっきりさせてきた。北朝鮮の体制を変えることは目的ではない」

などとして核兵器開発の中止を改めて求めた。一方で、米国が金正恩党委員長の暗殺計画も検討しているとの報道については、

「そんな計画は承知していない」

と否定した。4月6~7日にフロリダ州で行われた米中首脳会談では、両国首脳が危機感を表明したとも説明した。

中国も「何らかの行動を起こさなければならない脅威の段階に達した」ことを理解

   ティラーソン氏はインタビューの中で、

「習(近平)主席は、状況の深刻さと脅威が新たな段階に達したという点に同意した。習主席は、北朝鮮の政権がこれらの武器(核兵器)の将来的な必要性に関する見方を変えさせる動きを支持したい、との見方を示していた」

として、中国が北朝鮮の非核化に協力姿勢を示したと説明した。同氏はCBSテレビのインタビューでは、

「習主席は状況が緊迫し、何らかの行動を起こさなければならない脅威の段階に達したということを明確に理解し、同意したと思う」

として、米国の「行動」を中国側も支持するだろうとの見方を示した。

   この「行動」の一環なのかは明らかではないが、米軍も動きを始めている。米海軍第3艦隊(カリフォルニア州)は4月8日(現地時間)、シンガポールから豪州に向かう予定だった原子力空母カールビンソンを中心とする部隊の行先を変更し、西太平洋に北上させたと発表した。北朝鮮をけん制する狙いがあるとみられている。

核戦力強化は「全く正しかった」

   北朝鮮は建国記念日にあたる16年9月9日に5回目の核実験を行っている。17年4月11日は、北朝鮮の国会に相当する最高人民会議が開会する予定で、こういった「節目」に6回目の核実験に踏み切る可能性もある。

   北朝鮮はアメリカの対応に反発を強めている。北朝鮮の外務省は4月8日、国営メディアを通じて声明を発表し、シリアへの空爆を

「主権国家に対する明々白々とした侵略行為であって絶対に容認されない」

などと非難。爆撃が北朝鮮への「警告」だとの見方があることについても、

「それに驚くわれわれではない」

と一蹴し、以下のように核武装の正当性を改めて主張した。

「核戦力を中枢とする無尽強大なわれわれの軍事力は、米国の破廉恥な強権と専横、侵略策動を粉砕して国の自主権と民族の生存権を守る正義の霊剣となっている。こんにちの現実は、力にはただ力で立ち向かうべきであり、核戦力を非常に強化してきたわれわれの選択が全く正しかったということを実証している」

   この声明が出たのはティラーソン氏の発言の前で、今回の発言を受けて北朝鮮がさらに態度を硬化させる可能性がある。北朝鮮の国営メディアは3月7日、6日に行ったミサイルの発射実験は「有事の際、在日米帝侵略軍基地を打撃する任務を受け持っている」部隊が行ったと説明しており、有事の際は日本にも影響が及ぶ可能性が高い。

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