2024年 4月 26日 (金)

民進党、安倍9条改憲めぐってグダグダ 「反対」蓮舫代表は少数派か

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   安倍晋三首相が2017年5月3日の憲法記念日に、憲法改正に向け、9条を含めた具体的な改正項目とスケジュールを示したことは、民進党にとっては「不意打ち」になった。民進党内部では憲法改正に向けた足並みがそろっておらず、議員の中にも、安倍氏に近い主張を展開していた議員も少なくないからだ。

   蓮舫代表は安倍首相の改正案の表明直後に強い反対姿勢を表明したものの、野田佳彦幹事長は5月8日の定例会見で安倍氏の発言に「違和感」こそ表明したものの、改正内容そのものに対する批判には踏み込まず、民進党のグダグダ感が目立っている。

  • 安倍首相の提言は民進党にとって「不意打ち」だった
    安倍首相の提言は民進党にとって「不意打ち」だった
  • 安倍首相の提言は民進党にとって「不意打ち」だった

蓮舫氏「総理の総理による総理のための憲法改悪」

   安倍氏は憲法記念日にあたる5月3日の読売新聞朝刊のインタビューや、同日に開かれた改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで、(1)2020年までに憲法を改正し施行を目指す(2)現行の憲法9条1項と2項は維持し、新設する3項で自衛隊の根拠規定を設ける、ことなどを表明。野党時代の12年に自民党が作成した改正草案には「こだわるべきではない」としており、従来と比べて「ハードルの低さ」を強調した。

   これに対し、民進党の蓮舫代表は対決姿勢を強めている。5月3日に開かれた護憲派の集会で、蓮舫氏は

「安倍総理は憲法を変えると言う。口を開くたびごとに、どこを変えるのかを変えてくる。総理の総理による総理のための憲法改悪には、絶対に反対をしないといけないと改めて訴えさせてください!」

と反対姿勢を鮮明にした。しかし、民進党内の有力議員の間では今回の安倍氏の発言に近い考えを持つ人が多い。

細野、前原、枝野各氏は「憲法に自衛隊を」主張

   4月に執行部の改憲への対応を不満として代表代行を辞任した細野豪志衆院議員は5月4日のブログで、

「9条2項までを維持して自衛隊を明記するというのも、これまでの自民党と総理のアプローチからすると柔軟だ。私も、いつかは憲法に書かなければならないと考えている」

と安倍改憲案に賛成とも取れる考えを投稿した。

   民主党時代の代表も務めた前原誠司衆院議員も16年9月2日に行われた代表選立候補者による会見で、

「憲法が公布された後に自衛隊が作られたが、自衛隊の位置づけがない。これについてはしっかりと党内で議論すべきだというのが私の考え方であり、平和主義はしっかり守っていきたい」

と発言し、今回の安倍首相に近い考えを表明している。

   枝野幸男衆院議員に至っては「文芸春秋」13年10月号に発表した改正憲法の私案で、現行の9条の次に「9条の2」「9条の3」を追加。「9条の2」では「自衛権に基づく実力行使のための組織」を規定し、「9条の3」で国連軍の参加にも触れていた。

   民進党の大物政治家がそろって安倍首相の9条改正案に近い考えと言える。

野田幹事長「今、我が党は正面からお答えをする段階ではない」

   こういった中で、野田佳彦幹事長は5月8日の記者会見で、

「憲法審査会で丁寧に議論を積み上げているときに、行政府の長が『五輪を2020年までに』とか『国会議論の活性化のために』とか、立法府の審議のありように非常に強く介入する形でこういう発言をしたことについては、きわめて違和感を感じざるを得ない」

と安倍氏の発言の意図をいぶかり、

「まずは自民党内で、この議論を整理することが先決」

と党内で意見集約した上で憲法審査会で議論すべきだとした。

   しかし、党内の意見がまとまらないのは民進党も同じで、野田氏は

「党で色々意見があると思うが、改正項目として絞り込んでいくかについては現段階では、我が党では(今回の9条のような意見は)なかった」

と発言。再び憲法審査会の議論に触れながら、

「急にこの9条。しかも従来の自民党の議論と違うということについては、それを今、我が党は正面からお答えをする段階ではない」

と述べるにとどめた。

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