2024年 4月 24日 (水)

NHK「プロフェッショナル」に大反響 「戦い続ける」犬の訓練士、その真意と信念を聞いた

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   2018年1月29日放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK)で放映された、「戦う訓練士」こと犬の訓練士・中村信哉さん(47)のドキュメンタリーに、視聴者から「泣いた」との反響が相次いでいる。

   中村さんが預かるのは、飼い主の手に負えなくなった凶暴犬ばかり。手厳しい訓練は時に批判を浴びることもある。だが心を鬼にして、犬と向き合う。いったい何がそうさせるのか。J-CASTニュースは、本人に取材した。

  • 犬の訓練士に密着
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ほめるのも大事、叱るのも大事

   北栃木愛犬救命訓練所(栃木県大田原市)で所長を務めている中村さんは元々、警察犬の訓練士だった。警察犬訓練所で5年半の修行を積み、現在の訓練所を設立した後、問題行動を起こす犬の飼い主から訓練の依頼が入るように。中村さんはそんな犬の更生に尽力するため、警察犬の訓練をやめた。

   飼い犬の噛み付き事故は例年、4000件を超えている。中村さんは預託訓練専門で、全国各地の飼い主から凶暴犬の更生を引き受ける。この20年間で700頭超、全体の約8割を更生させ、現在も100頭の凶暴犬を抱えている。

   番組によると、犬が凶暴化する要因はさまざまだという。ただ、「叱る」「ほめる」の両極端でしつけられるなどして、人と感情を交わした経験が希薄なのだそうだ。

   中村さんは一体、どのように犬を更生させているのか。番組では、エサやりの模様を紹介した。

   「待て」「伏せ」などと指示し、犬の檻にエサを入れ、2本の竹で作った手製のムチを使う。問題行動を起こす犬は、本能が抑えられない状態にあるため、食事の時間にムチで大きな音を出し、最低限の痛みを与え、我慢の経験を積ませる。こうすれば、犬は何を叱られているのか、音と刺激で覚えるようになるという。

   中村さんは番組の取材に「(叩くことは)気持ち良くはない。これでも犬好きなので」と前置きした上で、

「厳しいのが嫌いだからといって、やらなかったら、襲ってくることも止まらないし、かみ続ける。かむ犬は治らないと処分してしまったケースがある。どんな方法を使っても、飼い主の元で一生を送らせたい」

と強調した。

「私はほめるしつけが間違っているとは思わない。ほめるのも大事、叱るのも大事、片一方だけでやるのがダメ。まったくほめられなかった子どもはどうなるか。同じことが犬の業界でも起きている」
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