2024年 4月 25日 (木)

「当然の対価」求める漫画家に注文 「無料で見せられる努力を」ツイートが炎上

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   日本漫画家協会が公式サイトで発表した「海賊版サイトについての見解」とする声明が、漫画読者の界隈で議論を広げている。

   海賊版サイトを読むことは「泥棒にもっと盗んでこいと応援してる」ようなもの――。漫画家の宮尾岳さんがツイッターでそう発信したところ、一般のあるユーザーが「そういうこと言うなら無料で見せられるよう努力してください」とリプライ。ネットでは、このツイートが物議を醸すこととなった。

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海賊版サイトへの批判

   海賊版サイトは、人気の漫画や雑誌の最新号を著作者の許可なくアップロードしている。無料で読めるため2017年ごろからじわじわと注目を集めているが、漫画家からは懸念の声が続出していた。

   「こんな海賊版サイトがはびこると、いくら努力して面白い作品を描いても漫画家は仕事になりません」。『あしたのジョー』作者のちばてつやさんは、ブログでそう訴えた。「海賊版に対する反発(憎悪)を持つ作家や読者は非常に多く、その方向性は率直にアピールしていくべき」と、『魔法先生ネギま!』作者の赤松健さんもツイッターに投稿した。

   そんな中、日本漫画家協会は18年2月13日に公式サイトで「このままの状態が続けば、日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまう」と声明を発表。海賊版サイトの利用に警鐘を鳴らした。

   ただ、漫画家たちのこうした切実な声には、納得できないという反応を示す声も一部から寄せられた。

   『アオバ自転車店といこうよ!』作者の宮尾岳さんが2月15日、「僕ら商業誌の漫画家は『漫画を描いて生きて行く』と決めた人間だ。(略)働いたことに対価を求めるのは全ての職業の常識だ」とツイッターに投稿し、

「漫画の海賊版とは『創作することに何の努力も行動もしなかった奴が、無断でタダでばら撒き、作家を殺していく』という悪業だ。それを喜んで読むと言う事は『悪業の後押し』だよ。泥棒にもっと盗んでこいと応援してるんだ」

と持論を展開したところ、ある一般のユーザーが

「そういうこと言うなら無料で見せられるよう努力してください。企業努力や作家の努力が足りません」

とのリプライを飛ばしたのだ。

「状態はかなり深刻だと思う」

   このリプライをめぐっては、ツイッター上で

「何処を読んだらそういう返答をするのか理解に苦しみますが、この世にコストの掛からないものはありません」
「失礼とかいう域を超えてるわ」
「企業努力で無料はできても作家の努力で無料はできんでしょ」
「読む人間の『努力=金を払うこと』が足りませんね」

と批判の声が噴出。投稿者は2月16日朝までにツイッターアカウントを削除した。

   この投稿者に言及したのか定かではないものの、『最終教師』作者の漫画家・山本貴嗣さんはツイッターで「『企業努力』という単語があるけど『消費者努力』ってのもあるんですよね、言われないだけでw(たぶん)」と投稿した。

   ただ一般のネットユーザーには、削除ツイートの内容に危機感を覚えた人も少なくないようだ。ツイッターには、

「これは本物だと頭を抱えたのでまぁいろいろ根が深いものを感じましたね」
「本当にクールジャパンの為にはキチンとコンテンツに課金させるところから子供の教育を始めないといけないと思う」
「知り合いも漫画はただで読むものだと思ってるので、状態はかなり深刻だと思います」

との声も巻き起こっている。

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