2024年 4月 19日 (金)

「勲章」持ってると減刑される? 「上級国民」で注目、弁護士に聞く

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   東京・池袋で死者2人、負傷者8人を出した自動車暴走事故を受け、ネット上では「上級国民」とのスラングが飛び交っている。

   車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(87)が現行犯逮捕されず、報道では「容疑者」ではなく「さん」「元院長」などの呼称が使われた。こうした点が疑問を招き、「元官僚」の肩書が逮捕の有無や報道を左右したのではないか、との根拠のない指摘が相次いだ。

   さらに逮捕後を念頭に置いて、「褒章があれば減刑されるの?」といった憶測も拡散する。

  • 東京・池袋の事故現場では、花束を供え、被害者を悼む人たちの姿がみられた(2019年4月23日撮影)
    東京・池袋の事故現場では、花束を供え、被害者を悼む人たちの姿がみられた(2019年4月23日撮影)
  • 東京・池袋の事故現場では、花束を供え、被害者を悼む人たちの姿がみられた(2019年4月23日撮影)

供述調書に「位記、勲章、褒賞、記章の有無」

   旧通商産業省(現在の経済産業省)工業技術院院長で各種企業・団体の重役を歴任した飯塚氏。15年秋の叙勲では経産省の推薦で「瑞宝重光章(瑞重)」を受賞した。

   2019年4月19日の事故後には負傷で入院したため現行犯逮捕はされず、警視庁は回復を待って自動運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で任意の事情聴取を行う方針だ。

   飯塚氏の逮捕や報道の扱いについての考察はJ-CASTニュースが22日、「池袋暴走『逮捕されない』本当の理由とは 弁護士が指摘する『あえてしない』可能性」の見出しで報じたが、ネット上では社会的地位の高い「上級国民」への不信感が根強い。前述の「疑惑」以外にも、「供述調書」への不満が数多く投稿されている。

   犯罪の心構えや手続きを定めた「犯罪捜査規範」によると、被疑者などへの取り調べで作成される供述調書には、経歴、資産、交友関係などのほか、「位記、勲章、褒賞、記章、恩給又は年金の有無(もしあるときは、その種類及び等級)」を明らかにする必要がある。

   そのため、「褒章があれば減刑されるの?」「酷い世の中だ・・・」との声が上がり、複数のまとめサイトでも批判的な論調で取り上げられている。

弁護士「捜査や判決に影響がある可能性は想定しづらい」

   弁護士法人ALG&Associatesの小松義浩弁護士は26日、J-CASTニュースの取材に、「『勲章を持っている人だけが捜査や判決で優遇される』ということはあり得ません」とネットの情報を否定する。

   小松弁護士は、「位記、勲章、褒章、記章」欄は、

「所持する者が刑に処せられた場合、位を失ったり、勲章や褒章や記章を没収されたりする可能性があるため、『位記、勲章、褒章、記章などの有無』を早期に明らかにすることが目的であると考えられます」

としつつ、所持していても捜査や判決に影響がある可能性は想定しづらく、捜査ではほとんど活用されていないと推測する。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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