2024年 4月 17日 (水)

長谷川豊氏が差別発言で「全面的謝罪」 「批判に『切り取り』と反発」から一転

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   元フジテレビアナウンサー、長谷川豊氏が講演で発言した内容をめぐり、「差別発言」などとネット上で批判が集まっている。氏をめぐっては、日本維新の会が今夏の参院選比例代表で公認候補として擁立を予定している。

   動画は2019年5月15日ごろから出回っている。長谷川氏は21日には批判に反発する姿勢を示していたが、22日にはブログを更新して「全面的に謝罪致します」とお詫びした。

  • 長谷川豊氏(2016年撮影)
    長谷川豊氏(2016年撮影)
  • 長谷川豊氏(2016年撮影)

「僕が今読んでも意味が分かりません」

   批判を集めている動画によると長谷川氏は、江戸時代の被差別民の一部の人々について、差別的な呼称を使ったうえで、「一族野盗郎党となって、十何人で取り囲んで暴行しようとしたとき、侍は大切な妻と子どもを守るだけのためにどうしたのか。侍はもう刀を抜くしかなかった。でも刀を抜いた時に、どうせ死ぬんです。相手はプロなんだから犯罪の...」などと話していた。

   長谷川氏は21日、自らのツイッターで、今回の動画へ寄せられた批判を念頭に、「90分の講演を切り取り 自分たちの犯罪行為は棚上げして取材もせずに切り取りして批判 なんなんでしょうねぇ」と持論を展開していた。

   翌22日夕には、部落解放同盟が長谷川氏の発言に対し維新の会に抗議文を21日に出したことを明らかにしたと、毎日新聞(ウェブ版)などが報じた。

   長谷川氏は21日の態度から一転し、22日に自身の公式コラム『本気論 本音論』を更新して謝罪した。見出しは「現在、一部ネットで拡散されている動画について全面的に謝罪致します」。本文の中で長谷川氏は、「身分制度の話と暴漢に襲われる話が全くリンクしていません。皆さんが読んでも意味が分からないと思いますが、僕が今読んでも意味が分かりません」と反省。「とんでもない差別発言であることは、まぎれもない事実であることに気づきました」とつづった。「江戸時代を含めた中世・近世の身分制度について、きちんとした知識を有しないにもかかわらず、安易に『一部の身分の被差別者を犯罪集団だった』と言及したことは、『差別の助長』『差別の再生産』を聴衆の皆さんにもたらす弁解の余地のない差別発言です」と過ちを認め、「私自身の『潜在意識にある予断と偏見』『人権意識の欠如』『差別問題解決へ向けた自覚の欠如』に起因する、とんでもない発言です」と振り返り、

「人間としてあってはならないことを犯してしまい、慙愧の念に堪えません。

この発言を全面的に謝罪するとともに、完全撤回させてください」

と謝罪を表明した。

   J-CASTニュース編集部が20日に電話で話を聞いた、部落解放同盟中央本部の大西聡・総務部長は、個人的見解として、長谷川氏の発言に対し「別の立場の人間を犯罪者扱いする形では、差別発言につながる」と話していた。また、先の毎日記事によると、日本維新の会は近く党紀委員会を開いて対応を協議するという。

(J-CASTニュース編集部 田中美知生)

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