2024年 3月 28日 (木)

NHK「ブラック工場」放送で大揺れ 今度は「今治タオル工業組合」が声明

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   「今治タオル」の裁縫工場で働くベトナム人技能実習生が劣悪な労働環境下にある実態を伝えたNHKのドキュメンタリー「ノーナレ」の放送を受け、同ブランド振興団体の「今治タオル工業組合」(愛媛県今治市)は2019年6月26日、声明を発表した。番組で紹介された企業は「当組合の組合員でないことを確認しております」とするものの、同企業が組合所属企業の下請けを担っているとして、「当組合も社会的責任及び道義的責任を重く受け止めています」としている。

   番組をめぐっては、取り上げられた企業とは異なる企業名がインターネット上で拡散。インターネット上で誹謗中傷を受ける事態に発展しており、やり玉にあげられた企業が憶測を否定する声明を出すなど、混乱が広がっている。

  • 今治タオル工業組合が公式サイトに出した声明
    今治タオル工業組合が公式サイトに出した声明
  • 森清タオル・オルネットが公式サイトに出した声明。ネット上で特定要素とされた看板について現在撤去済みであることなどを説明している
    森清タオル・オルネットが公式サイトに出した声明。ネット上で特定要素とされた看板について現在撤去済みであることなどを説明している
  • 今治タオル工業組合が公式サイトに出した声明
  • 森清タオル・オルネットが公式サイトに出した声明。ネット上で特定要素とされた看板について現在撤去済みであることなどを説明している

組合「道義的責任を非常に重く受け止め」

   今治タオル工業組合は5月時点でタオル製織会社104社が所属し、タオル生産に関する情報収集・提供、調査研究や、今治タオルの振興事業を行っている。声明では、「6月24日(月)NHK『ノーナレ』報道(本報道)について、当組合に対しても様々なご意見を頂戴しております。また、今治タオルをご愛顧頂いている皆様、お取引先各社様、並びに関係各所の皆様方には多大なるご心配をお掛けしております。つきましては、当組合が現時点で把握しております事実関係についてご報告をさせていただきます」として、放送された劣悪な労働環境について次のように認識を示した。

「本報道にありましたベトナム人技能実習生の皆さまが受けた耐え難い苦痛に対しまして、当組合では社会的責任及び道義的責任を非常に重く受け止め、事実確認を進めております。

また、仕事中に脳出血で倒れ意識不明の状態が続いている実習生につきましては、外国人技能実習機構(同機構)が早急に事実を確認しているとのことですが、一日も早い回復を願っております」

   放送内容の事実関係について情報収集を進めているとして、「現時点で当組合が把握している事実」を4点公表した。

   1点目は「ベトナム人技能実習生の受入企業(当該企業)は、当組合に所属する企業(組合員)ではありません」というもの。番組で「28人のベトナム人が働く下請工場」「仕事はタオルの縫製」と紹介された企業について組合員でないことを確認したという。また番組内で触れられた「『明日組合で話し合うと言っている』とある組合」も、「外国人技能実習生の監理団体(受入を行う協同組合)であるとされ、当組合とは別の組織です。当該企業と当組合との直接の接点はありません」とした。

   2点目に示したのは「当該企業は当組合員等の縫製の下請企業であることから、当組合も社会的責任及び道義的責任を重く受け止めています」という同組合の姿勢。今治タオルの振興を進める組合として「この問題を非常に重く受け止めております」とした。

   3点目は改善に向けた取り組みに関するもので、「今後の対応は、技能実習生の労働環境の改善を最優先に考えて支援などに取組みます」としている。外国人技能実習機構が進める調査の結果などを参考に「実習生の身分や地位等の利益を最優先して労働環境の改善などの対応を真摯に検討してまいります」と方針を示した。

   4点目は組合員企業やその下請企業に対する取り組みとして、「当組合では、経済産業省等から指導を受けています『繊維産業における外国人技能実習の適正な実施等のための取組』と『繊維産業の適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画』を基に、これまで以上に組合員はもとより下請企業の法令及びコンプライアンス遵守について周知徹底を強化します」とした。具体的には「7月8日(月)午後1時30分から組合員104社を招集して、全員協議とコンプライアンス研修『組織で考える不祥事防止策』を開催いたします。また、一過性のことと捉えず、今後より一層業界として是正のための取組みを継続してまいります」としたほか、「調査と並行し、組合員104社に対し、各社内のみならず、各社の業務委託先に関しても、労働者の健全な待遇や環境形成のサポートを行なえる制度構築、内規設計等を検討してまいります」と示している。

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