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広島監督「5年交代」の法則 ポスト緒方は人材豊富、野村復帰待望論も

   リーグ4連覇を目指す広島が厳しい状況に立たされている。広島は2019年8月22日、マツダスタジアムでヤクルトと対戦し、7回降雨コールド4-8で敗れた。高卒2年目の山口翔投手(20)が先発し、2回3安打3失点でKO。最下位ヤクルトに痛い1敗となった。首位・巨人が敗れたため、巨人とのゲーム差は変わらなかったが、残り26試合で6.5ゲーム差。巨人は早ければ23日にも優勝マジックが点灯する。

   先発・山口がまたも試合を作れなかった。2回、先頭・村上宗隆内野手(19)にソロ本塁打を許し、2死から小川泰弘投手(29)に四球を与えると、その後も制球が定まらず2つの四球で2死満塁に。山田哲人内野手(27)に2点タイムリーを浴び、この回3点を失った。6月21日のオリックス戦では、試合中に緒方孝市監督(50)から公開説教を受け、1回KOの7月9日には試合中に宿舎に強制送還...。この日の試合後には2軍降格が決まった。

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丸が抜けた穴に続き、主力選手の不振が

   この日は上位3チームが敗れたため、上位チームのゲーム差に変動はなかったものの、試合数は着実に減っている。3位DeNAには0.5ゲーム差、4位・阪神には4ゲーム差に詰め寄られている。逆転優勝どころか、クライマックスシリーズ(CS)進出が心配されるところまで追い詰められている。

   昨オフに打線の主軸を担った丸佳浩外野手(30)がFAで巨人に移籍し、戦力ダウンは否めなかった。それでもナインのほとんどがリーグ3連覇を経験しており、開幕前からリーグ4連覇の可能性は高いとされていた。大方の予想をよそに、丸が抜けた穴は大きく、リーグ3連覇を支えた田中広輔内野手(30)、守護神・中崎翔太投手(27)の不振、そして勝負どころの夏場にサビエル・バティスタ内野手(27)のまさかの戦線離脱。リーグ4連覇の夢は風前の灯火となっている。

   広島のV逸で注目されるのが、指揮官の進退だ。今シーズンはチームの好不調の波が大きく、連勝と連敗を繰り返してきた。また、指揮官による公開説教や鉄拳制裁なども見られ、田中の起用を巡る采配も鯉党から批判を浴びた。いまや常勝軍団と化し、優勝して当然とされる赤ヘル。今シーズンの采配も踏まえて、指揮官がV逸で問われる責任は決して小さくはないだろう。

黒田氏、新井氏、前田氏...

   広島の歴代監督の任期をみてみると、「5年満期」の傾向がある。前監督の野村謙二郎氏(2010年~2014年)、山本浩二氏の第一次政権(1989年~1993年)、第二次政権(2001年~2005年)、三村敏之氏(1994年~1998年)など、ここ30年間で監督を務めた多くが5年で任期を終えている。2015年から指揮を執る緒方監督は今シーズンで監督5年目となり、ひとつの転機を迎えようとしている。

   広島OBには、現役時代に強いリーダーシップを発揮した黒田博樹氏(44)、新井貴浩氏(42)やカリスマ的存在だった前田智徳氏(48)らがおり、後継者候補に挙がっている。また、リーグ3連覇の礎を築いた前監督の野村氏の再任待望論も根強く、次期監督候補の人材は事欠かない。

   広島は27日から首位・巨人との3連戦、30日からホームで3位DeNAを迎え撃つ。この6連戦でリーグ4連覇の行方が決すると見られ、広島にとっては最後の意地を見せたいところ。開幕5カード連続負け越したチームが優勝した例はない。このデータ通りになってしまうのか...。