2024年 4月 18日 (木)

世耕氏の野党批判ツイートに蓮舫氏反発 新型肺炎めぐる国会質問に注目集まる

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   自民党の世耕弘成・参院幹事長が、国会での野党質問についてツイッターで「(略)始まって40分経過しましたが、(略)新型コロナウイルス感染症について質問をしない感覚に驚いています」と発信した。これに対し、指摘された時間帯に質問中だった立憲民主党の蓮舫参院議員は「(会派内で)事前に話し合って分担」したと説明、実際次の委員(同会派議員)が新型コロナウイルスについて質問していた。

   こうした動きについて、朝日新聞は、世耕氏ツイートについて自民党内からも批判する声が出ていると報じた。一方、ネット上では世耕氏ツイートに賛否の声が出ている。当日の国会審議は実際どういう質問が出ていたのか、与党議員は新型コロナウイルスについて質問したのか、参院インターネット審議中継の動画で確認してみた。

  • 自民党の世耕参院幹事長のツイートに賛否の声(写真は2016年10月撮影)
    自民党の世耕参院幹事長のツイートに賛否の声(写真は2016年10月撮影)
  • 自民党の世耕参院幹事長のツイートに賛否の声(写真は2016年10月撮影)

「質問をしない感覚に驚いています」

   世耕氏は2020年1月29日朝、ツイッターで

「今、参議院内の幹事長室で予算委員会を見ています。野党の質問が始まって40分経過しましたが、先刻武漢からの飛行機が到着し、目の前に総理や厚労大臣等、新型コロナウイルス感染症に対応している責任者が列席している。このシチュエーションで感染症について質問をしない感覚に驚いています」

と指摘した。

   29日は、参院予算員会が今国会では初めて開かれた日。麻生太郎財務相による2020年度の一般会計予算案などの趣旨説明のあと、与野党含み1人目の質問者として立ったのは、蓮舫氏(「立憲・国民.新緑風会・社民」会派、政党は立憲)だった。世耕氏がいう「野党の質問が始まって40分経過」の時点で質問中なのは蓮舫氏だった。

   蓮舫氏はその後のツイッターで、

「行財政改革は私の政治家としての芯です。税金の私物化は絶対にあってはいけないとの想いで質問に臨みました。今日、我が会派の質問者6人はそれぞれ質問が重ならないように事前に話し合って分担しています」

と、「(会派内で)質問が重ならないよう」にしたという状況を説明した。

   また朝日新聞(デジタル版)は29日夜、「世耕氏、蓮舫氏を批判ツイート 自民幹部『軽率』」の見出しで、一連の動きを報じた。世耕氏のツイート内容に触れつつ、蓮舫氏が予算委で首相主催の「桜を見る会」について質問し、新型コロナウイルス問題に触れなかったと紹介。その上で、「立憲側は『感染症については蓮舫氏の次の委員が質問している』(幹部)と反発」しており、参院自民の末松信介・国会対策委員長が「誤解を招いたなら遺憾だ」と釈明したが、「蓮舫氏は『(会派内で)質問が重ならないように聞いている。反省しているなら、ツイートで訂正してもらいたい』と自民側に求めた」と伝えている。また、議員の質問権にも触れながら、「自民の参院幹部も『委員会中に野党の質問に干渉するようなツイートは軽率だ』と批判した」としている。

   翌30日17時過ぎ現在、世耕氏のツイッターでは、この問題について新たな言及はしていない。

「蓮舫さんの次にコロナの質問しとるのに」の声も

   朝日報道などを受け、ツイッターには、

「蓮舫さんの次にコロナの質問しとるのに」

と、世耕氏を批判する声が出る一方、

「世の中はね、最重要課題からやるもんなんだよ」

と、世耕氏ツイ―トを支持する意見も寄せられていた。

   29日の参院予算委員会の様子について、J-CASTニュース編集部が30日、参院インターネット審議中継の録画動画で確認した。

   麻生財務相による予算案趣旨説明のあと、1人目の質問者として蓮舫氏が立った。蓮舫氏は、「冒頭」での総理への質問として「財政民主主義」を知っているかを尋ねた後、首相主催の「桜を見る会」と関係付けながら質疑を続けた。

   世耕氏ツイートにあった「野党の質問が始まって40分経過」した頃は、蓮舫氏が「桜を見る会」の招待客とりまとめに関する締切時期の問題を取り上げていた。結局、断続的な中断も含めて約86分間、「桜を見る会」問題(行政文書管理や個人情報管理問題などとも絡めつつ)をやりとりした。新型コロナウイルス問題については触れなかった。

自民の2議員は...

   2人目の質問者は、同会派の徳永エリ氏(政党は国民)。冒頭、「通告はしておりませんでしたが」と触れつつ、新型コロナウイルス問題について質問した。他に予算案での災害対策なども取り上げた。

   3人目の石垣のりこ氏(同会派、政党は立憲)は、「本来であれば」新型コロナウイルスや自衛隊の中東派遣問題などを質疑したかったが、とことわった上で、「我が国の安全の最大の障壁」となっている、政権の公文書管理や公金管理への杜撰さや責任感のなさを質す必要があるとして、「堕落の象徴ともいえる『桜を見る会』」について主に質問すると述べた。招待者選定に関する首相夫人の昭恵氏の関与などについて質問していた。

   同会派の議員6人が質問した後、与党からは「自由民主党・国民の声」会派の藤井基之氏(政党は自民)が1人目の質問に立った。藤井氏は「まず新型コロナウイルスについて」と切り出し、関連の質疑を行った。また、同会派2人目の三宅伸吾氏(同)は、冒頭の質問は一人親世帯の子育て問題だったが、その後、新型コロナウイルスに関連して海外の邦人救助の問題を取り上げていた。

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