ミニッツ・シンキング

聖書世界の歩き方

旅の基本情報

旅のテーマ

作品名: インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》
十戒 スペシャル・コレクターズ・エディション
DVD発売元:パラマウント ジャパン

☞ 新約聖書、旧約聖書の違い

新約聖書は1~2世紀にキリスト教徒たちによって書かれました。神の子としてのイエス・キリストの生涯とその言葉、初代キリスト教会の歴史と指導者たちの書簡から成ります。旧約聖書はより古く、多くの史料が長年かけて編集されて、BC4世紀頃に今の形になったと考えられます。天地創造に始まり、ノアの箱舟、モーゼのエジプト脱出、ダビデ王とソロモン王、バビロンの捕囚など、神とヘブライ民族の歴史が描かれています。
価格:いずれも2,625円(税込)発売中

旅の持ち物

南レヴァントを歩くには、次の物が必携。

  • 帽子、サングラス(紫外線が強烈です)
  • 水(1日あたり2リットル、砂漠では4リットル)
  • ドライフルーツ(エネルギーとミネラル補給)
    ※ 現地調達のナツメヤシがオススメです。
復元の旅を楽しむには、以下も欠かせません。
  • 好奇心、観察力
  • 気力、体力
さあ、準備はいいですか?

旅の舞台

今回の旅の舞台は肥沃な三日月地帯。特に現在のイスラエル、ヨルダン、シリアなどを含む南レヴァントが中心です。

ペルシア湾からチグリス川・ユーフラテス川をさかのぼり、シリアを経てパレスチナ、エジプトへと到る、三日月型の地域です。周辺の砂漠地帯に対して、大河地帯ともいえます。ここでメソポタミア、古代エジプトなどの古代文明が栄えました。
「レヴァント(Levant)」というのは、東部地中海沿岸地方をあらわす歴史的な名前です。

ひと足のばして 箱舟クルーズ

大洪水は40日、地上を襲った。…地上を動きまわるすべての肉なるものは、また全ての人は息絶えた。…150日間、水は地の上に勢いを増し続けた。…7月17日、箱船はアララトの山地に着いた。(『旧約聖書Ⅰ創世記』 岩波書店)


これは、トルコ共和国の東端、標高5,137mの火山。ノアの方舟が流れ着いたところと言われ、12世紀以降にアララト山と命名されました。山頂から見つかった木の化石や、航空写真に写った方形の跡を、「箱舟の痕跡だ!」とする主張もあります。

旅の天気・洪水に注意

肥沃な三日月の東半分、チグリス・ユーフラテス川沿いの古代遺跡には、河川が運んだシルト層、つまり洪水の跡が見つかることがあります。
しばしば洪水に襲われたらしいこの地域。ノアの方舟の話も、ここからきたのでは? と、考えられるかもしれません。

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情報の確認を!

聖書は考古資料の意味を知るための1つの手段です。
しかし1万年を超える旅には、聖書だけではなく、他のあらゆる情報も確認したいところ。まずは、聖書以外の古文書にも注意を向けてみましょう。
右は、古代アッシリアの首都ニネベから出土した英雄ギルガメシュの物語。ここにもノアの方舟とそっくりな話が書かれていました。

ギルガメシュ王が出会ったウトナピシュティムという人は、神から大洪水を警告され、船を作って家族や友人、財産や家畜を守るように指示された、と語りました。
 

聖地エルサレムは

古代イスラエルの神殿があったエルサレム。
ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地として重要で、それだけに調査はなかなか困難です。何千年も人が住み続けて住居も密集し、発掘されているのはほんの一部。
紀元前995年頃、このエルサレムに都を置き、全イスラエルの王となったのが、旧約聖書に登場するダビデです。

この人に聞く:あの日あの時

僕の名はダビデ。ミケランジェロが造った彫像は、日本でも有名だろ?この姿はまだ王になる前、羊飼いをしていた頃だ。当時から美貌と竪琴の腕前で有名だったぜ。あの日はペリシテ戦の最中で、イスラエル軍にいた兄に食料を届けに来たら、敵方のゴリアテという巨漢が「一騎打ちだ」などと挑発するものだから、腹が立って。よし、こいつは自分が退治するとばかりに思わず石を握りしめたわけだ。敵を眼中に収めた勇敢な顔だろ?敵を打ち落とすこの先の名場面、みんなに見せたかったぜ。

ぶらり散歩・ダビデの町

(ダビデの町の旧市街地図:© WordPress Themes)

人々はヤハウェの箱を運びいれ、ダビデがそのために張った天幕の真ん中に安置した。…ダビデはオリーブ山の坂道を上って行った。…ダビデが、神の礼拝所になっていた頂上にさしかかったとき、…
(『旧約聖書Ⅴサムエル記』 岩波書店)

ぶらり散歩・ダビデの町

(エイラット・マザール教授写真:© The Hebrew University of Jerusalem)

ある夕暮れ時、ダビデは床から起き上がり、王宮の屋上を散歩していたところ、1人の女が水を浴びているのが屋上から見えた。…しかし、ウリヤは主君の家来たちと共に王宮の入り口で眠り、自分の家には下って行かなかった。…ダビデは2つの門の間に座っていた。見張りが城壁の門の屋根に上り、目を上げると、男がただ1人走って来るのが見えた。…
(『旧約聖書Ⅴサムエル記』 岩波書店)

オプショナルツアー 真夏の発掘現場を訪ねる

(写真:© Kumi Makino)

復元の旅の第一歩

今回は、こうした聖書の地を歩く第一歩として

  1. 歴史を復元するための2つの資料について
  2. 都市遺跡の構造について
  3. 考古資料、特に「土器」の意味
  4. 文字史料、特に聖書以外の史料の意味
を、わかりやすく、簡単にご紹介します。

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