さて、いよいよルネサンスの話に入ります。
ルネサンスの始まりは、15世紀。イタリアのフィレンツェで、多くの芸術家が誕生しました。
ルネサンスの象徴は、街の中央に悠然とそびえ立つサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂です。巨大なクーポラ(円蓋)は1436年、ブルネッレスキによって完成、絶賛されました。
生涯学習センター講師 ●伊藤 淳
さて、いよいよルネサンスの話に入ります。
ルネサンスの始まりは、15世紀。イタリアのフィレンツェで、多くの芸術家が誕生しました。
ルネサンスの象徴は、街の中央に悠然とそびえ立つサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂です。巨大なクーポラ(円蓋)は1436年、ブルネッレスキによって完成、絶賛されました。
12世紀にイスラム世界に技術を学び、羊毛工業を始めたフィレンツェは、13世紀になると羊毛製品の輸出や絹織物で経済的に大躍進し、人口も急増します。 ヨーロッパに広まったフィオリーノ金貨(1252~1523年にフィレンツェで鋳造)は、こうした経済力の反映でもありました。表にフィレンツェを象徴する白百合、裏にはフィレンツェの守護聖者・洗礼者ヨハネが刻印されています。この経済力が、芸術活動に大きく寄与するのです。
ルネサンスは、まず彫刻の分野からめばえました。
フィレンツェ大聖堂の目の前に、サン・ジョヴァンニ洗礼堂があります。この洗礼堂は毛織物取引組合のひとつ、カリマラ組合の資金提供で運営されていました。1401年、洗礼堂第二門扉の制作発注にあたり、コンクールが行われます。課題は旧約聖書の『イサクの犠牲 』…芸術家7名が応募し、最終選考にはブルネッレスキとギベルティが残りました。さて、ここで問題です。
正解は2.繊細な表現の、ギベルティです。
ギベルティが選ばれました。
両者優勝で共同受注となるところ、それを嫌ったブルネッレスキが辞退した、とも言われますが、実際は、使ったブロンズ量がはるかに少ないギベルティに軍配があがったようです。
芸術家を支援したパトロン。ミラノのスフォルツァ家、ウルビーノのモンテフェルトロ公、マントヴァのゴンザーガ家、ローマ教皇、そしてフィレンツェのメディチ家は特に有名です。 3人の名前にポインターを合わせてみましょう。
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