ミニッツ・シンキング

ペアで攻略

呼吸する、移動する

鎌倉女子大学 教育学部教育学科准教授 榎本 至

この章のねらい

2章では「息継ぎ」と「水中移動」を練習します。
きちんと呼吸をして酸素を取り込み、楽に泳ぎたいものですね。息継ぎの基本は単純な動きで練習します。
また水の抵抗や浮力に慣れることで、手足を上手に使って泳げるようになります。

①息継ぎ感覚 ボビング

鼻から息を吐きながら、頭まで沈みます。
空気をしっかり吐き切ったら水面に伸び上がり、口から「ぱっ」と息を吸います。

★ POINT ★
水泳の呼吸は、普段の呼吸と異なります。「鼻から吐いて口から吸う」― これを身につけて、自然に行えるように速さを変えて練習しましょう。
【長いリズムでゆっくり】
【短いリズムで、速く】

②水中移動 おんぶジャンプ

パートナーを背負い、歩きながらボビング。一歩ずつ膝を深く曲げ、頭までしっかり沈んで鼻から息を吐き、水面に伸び上がって口から息を吸います。背負われている人も一緒にボビングします。

★ POINT ★
手が使えず加重で崩れやすいバランスを、水中でどのように保つか学びましょう。あわてずにゆっくり底を蹴ると、うまく水面に出ることができます。

②水中移動 またくぐり

この種目は、潜水が禁止されていないところで行いましょう。子どもが練習する場合は専門家の指導に従ってください。大人も周囲の安全に十分注意して行い、必ずプール係員の指示に従ってください。

息を吐き切って潜り、パートナーの足の間をくぐり抜け、まっすぐ前を見て立ちます。この一連の動作を丁寧に行います。慣れたら交互に連続を。

★ POINT ★
くぐる途中で浮き上がらないように、水中での体の動きをコントロールしましょう。立つ時は足幅を広く取ってしっかりと。まず浅いところで練習し、徐々に水深に慣れていきましょう。

浮心と重心

人の浮心は胸寄り、重心は腰寄りにあります。そのため蹴伸びの姿勢で浮いていると、足のほうから徐々に沈んでいきます。このとき、右図のように少し後退しているのがわかりますか。
後ろに沈んでいく足は、前進を妨げる無駄な錘(おもり)。キック動作や「足が沈みにくい姿勢」で、錘を軽くしてあげましょう。
☞ 足が沈みにくい姿勢

「バードドッグ(鳥猟犬)」と呼ばれるポーズ。両手両ヒザを床につけ、対角にある腕と脚を床面と平行になるようにまっすぐ伸ばします。これを練習すると美しい泳ぎ姿勢が作られます。ポッコリお腹の改善やヒップアップといううれしいおまけも!
★ POINT ★
伸ばしている手足の指先と爪先が、遠くに引っ張られるように意識しましょう。おへそを引っ込めるようにお腹を引き締めると、腰をまっすぐに保つことができます。

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