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がんこな肩コリがもんでも治らない それは、「シワ」が元凶だから

   【ためしてガッテン】(NHK)2015年9月9日放送

   「ああ!首と肩がツライ 肩こり根治マニュアル」

   「ああ、つらい!」「もみほぐしたい!」。でも、マッサージしてもすぐぶり返しちゃう。それもそのはず、がんこな肩コリの原因は筋肉ではなかったのだ。

   群馬県のとあるクリニック。木村裕明医師が、重い肩コリで悩む患者に超音波診断装置を当てた。肩の筋肉の画像にキラキラ光るスジが見える。そこに注射器で食塩水を注入する。画像から光るスジが消えた。「いい感じ~。コリが軽くなりました~」。スッキリした表情の患者さん。しつこいコリが1本の食塩水で消えたのだ。光るスジの正体はなにか?

  • 筋肉をほぐしても治らない肩コリの元凶は「シワ」だった
    筋肉をほぐしても治らない肩コリの元凶は「シワ」だった
  • 筋肉をほぐしても治らない肩コリの元凶は「シワ」だった

ストレッチではなくリリース(開放)がコツ

MCの小野文恵「真犯人は光るスジ、すなわち『筋○』でした。○の中に字を入れてください」。
レギュラーの山瀬まみ「ナメクジ?」。
同じく大和田獏「わかった。『膜』だ。筋肉を覆っている膜だよ。オレ、筋膜断裂やったことあるから」。
小野「そのとおり。(ストッキングを取り出し)このような薄い膜が筋肉の束がバラバラにならないよう包んでいます。いわば筋肉のボディースーツ。これが硬くなってシワシワになり、血流が悪くなるのががんこなコリの元凶です」。
MCの立川志の輔「これからは肩コリを肩シワと呼ぼう」。
肩コリ解消の達人、「ミスター筋膜」こと竹内仁・首都大学東京教授が登場。
立川「塩水じゃなくて自分でできる方法はありますか?」。
竹内教授「任せてください」。

   さっそく都内の化粧品会社を訪問、重症の肩コリに悩む2人の女性に施術する。といっても、ただ首や肩に手を当てているだけに見える。もんでいる様子もない。しかし、施術が終わると2人の肩は滑らかに動いた。

山瀬「先生の手から何か出ているの?」。
竹内教授「筋膜リリースという方法を使いました。ストレッチは筋肉を一方向に伸ばしますが、リリースは筋肉の制服である膜を開放・解除します。シワがよっている場所を確認して、どの方向に伸ばすとほぐれるか、探りながら色々な方向に伸ばしていきます」。

スマホの見すぎで首の骨、真っ直ぐになっていませんか?

   スタジオで竹内教授が考案した自分でできる「筋膜リリース」をみんなで実演する。まず、「斜め伸ばし」。それぞれの動きを20~90秒キープするのがコツ。

(1)右腕を斜め後方に伸ばす。指先が床にもぐりこむイメージであごを引き、首を左にゆっくり倒す。この時右肩が上がらないように左手で押さえる。
(2)その状態から左耳を前に出すように首を回す。その状態から今度は首を反対に回し、鼻を左肩に近づけていく。
(3)反対の腕も同じように(左右対称にして)。

   続いて、主に肩甲骨周辺をほぐす「平泳ぎ風リリース」。これも各動きを20~90秒キープする

(1)両腕を前に伸ばす。背中を丸めず肩甲骨だけを押し出すイメージで。
(2)肘を、高さをキープしたまま、両腕を開くように後ろに引く。
(3)肩甲骨をおこすイメージで両腕を上にあげる。


   以上を1日3セット行うといい。

   がんこな肩コリの元凶はもう1つある。首の骨の変形だ。最近急増しているのがスマホの見過ぎで、首の骨が真っ直ぐになる「ストレートネック」だ。

   立川「えっ、真っ直ぐだと悪いの?」。

   竹内教授「首が曲がりにくくなります。本来はS字型に湾曲しています。あごが引きづらい、うなずくのがツライ人は要注意」。

   首の付け根にある「後頭下筋群」の筋膜が固まってしまう。そこで、タオル1本でできるストレートネックのストレッチを披露。

(1)フェイスタオルを両手で持ち、首の後ろの真ん中に当てる。
(2)次に両手を斜め上に引っ張り 頭を少し上に倒す(20秒くらいキープ)。
(3)その状態から、あごをのど元に引きつけるように、うなずく動作をする(20秒くらいキープ)。

   2~3の動作を1日5セット行うのが目安だ。1年ほどで元に戻る。

   ●もっと知りたい人へ 

   筋膜が原因の肩コリや腰痛などの症状の解説や、番組で紹介された食塩水の注射や針治療など、筋膜の診断・治療・施術を行っている施設に関しては「筋膜性疼痛症候群研究会」のサイトで紹介されている。