J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

むせやすくなったのは年齢のせい それ「飲み込む力」の衰えです

【健康カプセル!ゲンキの時間】(TBS系)2016年2月28日放送
「身体の不思議」

   のどはちょっと不思議な器官だ。子どものころは免疫機能として重要だが、成長後は「なくても支障がない臓器」とまで言われる扁桃、実際は男女ともに存在するが、外見上は男性だけにしかなさそうに見える「のどぼとけ」......。

   のどには、年齢とともに変化が起きる。最近「ゴホゴホ」とむせやすくなった、そう感じることはありませんか。番組で詳しく解説した。

  • 何かを飲むとき、ついむせてしまいませんか(写真はイメージ)
    何かを飲むとき、ついむせてしまいませんか(写真はイメージ)
  • 何かを飲むとき、ついむせてしまいませんか(写真はイメージ)

気管を通って肺に菌が入りやすくなる

   ものを食べたとき、気管ではなく食道に流れ込むよう調節する気管が「喉頭蓋(こうとうがい)」だ。いつもは開いているが、食べ物が通る際に「ふた」が閉じるように気管をふさぐ。順天堂大医学部総合診療科の志賀教克助教は、「年齢を経るにしたがって、飲み込む力が少し衰えてくる」と説明した。

   番組では、28歳と75歳の男性にそれぞれバリウムを飲んでもらい、その様子をX線で撮影した。まず28歳男性の場合、バリウムが喉を通過する際に喉頭蓋が絶妙のタイミングで閉じ、気管に入らず食道へと勢いよく流れていった。一方の75歳男性は、若干量のバリウムが喉頭蓋にたまってしまった。これが危ないのだ。

志賀助教「たまっているものが気管に流れ込んで、誤嚥(ごえん)をしてしまうことがあります」

   高齢化に伴い、飲み込む力が衰えているのが原因で、これによりむせる回数が増えてしまう。実は脳とのかかわりが深い。飲み込んだ際に、脳から信号が送られて喉頭蓋が反応するが、加齢により脳からの信号が遅れるようになる。のどの筋肉の衰えもあって、誤嚥を引き起こすというわけだ。

   誤嚥の恐ろしさは、気管を通って肺に菌が入りやすくなる点にある。これが「誤嚥性肺炎」の引きがねになり、体力的に弱った多くの高齢者の命を奪っている。

唾を3回飲み込む時間を計ってチェックを

   スタジオ内では、リポーターを務めたお笑いタレントの深沢邦之に、MCの三宅裕司が語りかける。

三宅「舞台上で唾を飲みこんだとき......あれ(むせるのが)ツライねえ」
深沢「ツラいですよね」

   続いて三宅とMCの渡辺満里奈、アシスタントの英玲奈が「飲み込む力」のテストに臨んだ。唾を3回飲み込むのに、どれだけの時間を要するかがチェック項目だ。結果は、最も若い英玲奈が4.1秒、次が三宅で4.6秒、渡辺が5.5秒だった。

渡辺「あ、あたし、一番遅かった?」
深沢「気にしない、気にしない」

   志賀助教によると、誤嚥を起こしやすい人は30秒以上かかるそうだ。この3人は合格だ。

   日ごろからよくしゃべったり笑ったりして、のどや首回りの筋肉を使うのが誤嚥対策になる。口腔ケアも大切だ。口の中は菌が多く、何かを食べて誤嚥した場合は菌がたっぷりと肺に流れていく恐れがある。40代以上は、歯磨きを怠らないようにしよう。