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童貞男ほど出世するってホント?

   草食化が進み、童貞期間が長くなって肩身の狭い思いをしている男子が増えているが、今日から堂々と胸を張って「ドウテー男子」を宣言しよう。

   童貞男子ほど出世するという研究があるのだ。色恋沙汰に煩うことなく、貴重な青春時代を「人間力」を磨くことに費やすことができるというのだが。

  • 30代で魔法使い、40代で天使になる男たち(イラスト・サカタルージ)
    30代で魔法使い、40代で天使になる男たち(イラスト・サカタルージ)
  • 30代で魔法使い、40代で天使になる男たち(イラスト・サカタルージ)

「真実の愛」が始まるまで待てる人が成功する

   現代の若者の童貞の実態を大規模に調べた調査がある。2013年にコンドーム業界大手の「相模ゴム工業」が20~60代の日本人男女1万4100人の「セックスライフ」をインターネットで調べた。それによると、20~30代の若者に限ると、初体験の平均年齢は20代女性が18.5歳、20代男性18.9歳、30代女性が19.6歳、30代男性が20.2歳と、ともに女性の方が早かった。また、「童貞率」「処女率」を比べると、20代男性がなんと40.6%と4割以上で、女性の25.5%を大きく上回った。30代になると、男性9.5%、女性5.1%と減るが、それでも男性の方が多く、約1割が童貞だ。

   さて、そんな「童貞男子」に朗報の研究成果をまとめたのは、米テキサス大学の心理学チーム。2012年9月に心理学専門誌「サイコロジカル・サイエンス」に発表した。研究チームは、米国在住の16~29歳の兄弟(男性同士)と姉妹(女性同士)の計1659組の男女を対象に、性の初体験年齢とその後の人生との関連を追跡調査した。兄弟・姉妹間で比較したのは、生活環境や遺伝の条件などがほとんど同じため、性体験と人生の関係が分析しやすいからだ。

   初体験の年齢を、(1)15歳未満の「早期」(2)15~19歳未満の「適期」(3)19歳以上の「遅期」の3つに分け、学歴・仕事・収入・結婚後の夫婦仲などを調査した。その結果、「遅期」のグループの人は、10代で性体験をすませた他の2つのグループより、明らかに高学歴になり、年収も高く、パートナーとの関係が円満な人が多かった。初体験が遅いほど「人生の成功者」になりやすいのだ。

   この結果について、研究リーダーのページ・ハーデン博士はこうコメントしている。

「人間は20歳頃になってやっと精神的に安定し、ほかの人への理解が深まってきます。年齢的に成熟してから始めたパートナーとの性生活は、質的にも高くなり、長く続くことが多いのです。『真実の愛』が始まるまで待つことができた人は、10代で恋愛を始め、失敗経験を重ねた人より、その間、人間への理解を深める経験を積むことができ、その後の人生にいい影響を与えるのです」

「40過ぎの童貞」は「天使」になった

   血気盛んな10代に、じっと欲望を我慢し、その分の時間とエネルギーを人間形成に注ぐのがいいらしい。歴史上の人物の中でも、生涯童貞を貫き、大事を成した人物は多い。ニュートン、ベートーベン、カント、ニーチェ、宮沢賢治、上杉謙信など。ヨーロッパ人に多い印象を受けるのは、伝統な影響だろうか。

   100人以上の愛人がいて「英雄色を好む」を若い頃から実践したローマ帝国のカエサルは、現在のフランス・ドイツ地方であるガリアに遠征した時、ラテン民族とは正反対の性風俗があることに驚き、『ガリア戦記』にこう書き残した。

「ガリア人(ゲルマン民族)は童貞を尊ぶ。ことに20歳以上の童貞は珍重される。......長く童貞を守るほど身長が伸びる、体力が優れる、筋肉が強くなる......」

   ゲルマン民族の童貞尊重の風習がその後、ヨーロッパでは「男が30歳を過ぎて童貞を守っていると『魔法使い』になり、40歳を超えると『魔導師』(または天使)になる」という言い伝えになり残ったといわれる。

   明治の元勲を多く輩出した松下村塾の吉田松陰も30歳で刑死するまで女性に触れなかった。若い頃、東北旅行をした時、あまりの堅物ぶりを和らげようと、同行者が宿泊先で遊女をあてがった。翌朝、同行者が首尾を尋ねると、松陰はこう礼を言った。

「驚きました。しかし、大いに勉強になりました」

   どうも様子がおかしいので、遊女に聞くと、松陰は本当に一晩中、遊女と一緒に勉強していたのだった。「色事に溺れ、国事を忘れるのが恐ろしい。自分は臆病者であります」が口癖だったと伝えられている。

「超童貞」南方熊楠センセイは開花後が凄かった

   数々の逸話を残した大博物学者の南方熊楠も40歳で結婚するまで童貞だった。18か国語を駆使し世界中で研究生活に没頭、女性どころではなかったのだ。37歳の時、友人にこう手紙を書き残している。

「小生、(研究生活によって)無形の法喜(仏法による快楽)を妻にしているから、この上は一生淨行(清浄な身を保つこと)で果てるのだ」

   40歳の時に結婚した妻の松枝(28歳)も処女だったといわれるが、立派に一男一女をつくった。そして、堰(せき)を切ったように性生活の遅れを取り戻し、毎日の夫婦生活の体位を「学術記録」として残している。

   童貞諸君、「超童貞」のミナカタ先生を見習おう。