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加齢で筋肉量落ち骨折しやすくなる  筋トレは中高年で始めても遅くない

   日本には約1300万人の骨粗しょう症患者がおり、特に50代以上の中高年に多い。原因の一つは筋肉量の不足だ。

   高齢化が進む日本では、加齢とともに筋肉量が落ちていく「筋肉枯れ」が深刻になりつつある。

  • 筋肉をつけると骨粗しょう症や生活習慣病の予防にもつながる(写真はイメージ)
    筋肉をつけると骨粗しょう症や生活習慣病の予防にもつながる(写真はイメージ)
  • 筋肉をつけると骨粗しょう症や生活習慣病の予防にもつながる(写真はイメージ)

ウオーキングだけでは筋肉の減少を抑えられない

   一般に30歳を超えると、鍛える努力をしない限り筋肉量が毎年1%ずつ落ちていくと言われる。だが中高年の多くが運動不足を感じているようだ。

   トレーニングジムを運営するライザップは2016年9月1日~5日、全国50~70歳代の200人(男女各100人)を対象にアンケート調査を実施し、9月16日に結果を発表した。「人生を有意義に過ごすためには運動が必要」と答えたのは97.5%に達した半面、「十分な運動ができている」のは26.5%にとどまった。

   また「十分な運動」の内容は「ウオーキング」が67.9%で最も多かったが、公益財団法人「健康・体力づくり事業財団」のウェブサイトには、「ウオーキングだけでは、老化による筋肉の減少を抑えることはできません」と書かれていた。実はウオーキングは一部の筋肉しか使っていないため、運動しているつもりでも筋肉がついていない人が多い。

   筋肉での基礎代謝は全体の約40%を占める。筋肉量を増やすとエネルギーの消費量も上がるため、肥満をはじめ生活習慣病の解消につながる。筋肉は腱で骨とつながっているため、筋力トレーニングをすれば骨にも負荷が加わって骨が丈夫になり、骨粗しょう症の予防にもなる。

   骨粗しょう症とは骨がもろくなっている状態で、転んだり、物にぶつかったりした時に骨折しやすくなる。腰や太ももを骨折すると、介護が必要な生活になりかねない。厚生労働省の「国民生活基礎調査(2013年版)」によると、要支援・要介護者になった原因は11.8%が「転倒・骨折」だった。

正しい方法覚えれば年齢問わず筋力アップできる

   骨粗しょう症や生活習慣病のリスクを避け、健康寿命を上げるため、中高年になっても筋力アップは大切だ。だが、アンケートでは筋トレに後ろ向きな回答が多い。31.5%が「忍耐力がないと継続が難しい」、55.5%が「普段から運動していないと辛い」、19.0%が「激しい運動」というイメージを持っていた(複数回答可)。また、「今からでも筋力をつけられると思う」と答えたのは18.5%にとどまった。

   調査を実施したライザップによると、「正しい方法さえ覚えれば何歳からでも筋力アップは可能」。同社では、筋肉を効率よくつけるための筋トレと食生活を組み合わせたシニア向けプログラムを提供する。「筋肉枯れ」の不安を拭うため、無理のない筋力トレーニングをしていきたい。