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「尿の色が何だかオカシイぞ」 腎臓、肝臓、脳に危険が忍び寄る

【健康カプセル!ゲンキの時間】(TBS系)2016年10月16日放送
「あなたは大丈夫!?尿でわかる身体の異変」

   普段何気なく排出している「尿」。実は、腎臓病や糖尿病、肝臓の病気、さらには脳腫瘍まで尿の異変で見つかるケースもある、情報の宝庫なのだ。

   病院に出向いて尿検査をしなくても、日々のセルフチェックで体の異常を発見できる。

  • 日々の尿セルフチェックが大事
    日々の尿セルフチェックが大事
  • 日々の尿セルフチェックが大事

一度でも血尿が出たら病院へ

   日本大学医学部附属板橋病院・高橋悟副病院長によると、尿は体の異変や病気によって様々な色に変わる。

   通常は黄色だ。赤血球は寿命を迎えると肝臓で分解され、「ビリルビン」という物質に変わる。ビリルビンが腎臓で一部酸化し、黄色い「ウロクローム」になる。これが尿に混ざって排出されるため、黄色くなる。ウロクロームが尿に混ざる量は一定で、水分摂取量が少ないと尿は濃い黄色になる。

   透明に近い尿が出たら「尿崩症(にょうほうしょう)」のおそれがある。

   腎臓に働きかけ、尿の量を調節しているのは「抗利尿ホルモン」だが、このホルモンが減ったり、腎臓に十分に作用しなくなったりする病気だ。抗利尿ホルモンは脳の視床下部で作られていて、そこに腫瘍ができると分泌が低下するので、脳腫瘍の可能性もある。

   水をたくさん飲んだ時も色は薄くなるが、その覚えがなく尿が透明になっている時は要注意だ。

   尿に白血球が多く出ると、透明度が低くなり、乳白色の濁った尿になる。排尿時に痛みがあると膀胱(ぼうこう)炎、急な腰痛や発熱がある場合は腎盂腎炎(じんうじんえん)かもしれない。

   血尿が出た時は、腎臓から膀胱までに異常がある可能性が高い。

   最初に出た尿だけ赤い場合は、尿道から出血している。最初から最後まで真っ赤な尿だったら、腎臓に結石が詰まり炎症を起こしている。

   痛みやかゆみなどなく、真っ赤な血尿が出たら、膀胱がんのおそれも。すぐに病院を受診しよう。

   血尿は一度出てそれきりになるケースもあるが、見た目は普通の色でも、赤血球が出続けていることが多い。放置すると膀胱、腎臓のがんに進行する可能性もあるので、一度でも目で見てわかる血尿が出たら病院で診察を受けて欲しい。

オレンジや緑が出たら危険

   肝硬変、肝不全など、肝臓に異常があると、ビリルビンが尿に多く混ざり、オレンジ色の尿になる。緑色の尿は、緑膿菌(りょくのうきん)が原因で、敗血症が疑われる。どちらの場合も、病院へ急ごう。

   尿の泡立ちが30秒以上消えない時は、タンパク質や糖が出ているかもしれない。腎臓の病気や糖尿病の可能性がある。

   尿の回数もチェックしよう。1日に10回以上だと頻尿だ。

   男性で回数が多いと、前立腺肥大症のおそれがある。歳を重ねると誰しもある程度は前立腺が大きくなるが、がんの場合もあるので要注意だ。

   女性の頻尿に多いのが「過活動膀胱」だ。1日に何度も激しい尿意に襲われ、時には失禁してしまうことも。

   せきやくしゃみ、ジャンプした時などに少し漏らしてしまうのは「腹圧性尿失禁」という。

   女性は出産すると「骨盤底筋」という筋肉がゆるみ、歳を取るにつれ我慢が効かなくなってくる。どちらの症状も、肛門と尿道をキュッと締める運動を気が付いた時に行うと改善できる。

   回数が少ないのもよくない。尿を我慢しすぎると膀胱がふくらんだ状態が続いて血流障害が起こり、尿をしたい感覚が鈍くなったり、尿を押し出す力がだんだん落ちてきたりする。水分をしっかり摂(と)り、昼間は4~5回はトイレに行くようにすると、膀胱炎になりにくい。