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自撮りキメ顔をSNS投稿する女子 「ブス過ぎてツライ」嘆きの本音

   お化粧バッチリ、カラコンで目もクッキリ、すまし顔して美人に見える角度からスマホで自撮り。撮影の後は、画像の加工に余念がない。

   かわいさを「盛れた」1枚を、ツイッターに投稿する女子が増えたが、添えられるメッセージはなぜか「ブス過ぎてつらい」。わざわざ自虐的なひと言を書き込む不思議な心理とは。

  • 一番かわいく撮れるのはこの角度かな(写真と本文は関係ありません)
    一番かわいく撮れるのはこの角度かな(写真と本文は関係ありません)
  • 一番かわいく撮れるのはこの角度かな(写真と本文は関係ありません)

「本当にブス」と思っているワケじゃない?

   「自分マジブス過ぎる」「ブス過ぎて笑う」「整形したい」

   ツイッターには、こうしたツイートがしばしば投稿されている。だが画像を見ると書き込み内容とは裏腹に、かなり力の入ったショットが少なくない。スマホで一瞬に撮ったような雑な写真はあまりなく、画像加工アプリを駆使して美しく仕上げ、犬など動物の耳や鼻、口をかわいらしく合成した写真もある。

   「渾身の1枚」を公開しながら、「ブス過ぎてツライ」とは謙遜か本音か、それとも真っ赤なウソか――。こうした投稿に「本当にブスですね」とからかうコメントを送ったところ、本人から「ブスじゃないもん」と反撃されたやり取りが、掲示板サイトに出回った。あえて変顔した写真とともに「ブス過ぎて...」とつぶやくジョークも出てきた。

   「私、美人でしょ」と自慢しにくいかもしれないが、自分を貶める言葉を添える必要もなく、謎の行為だ。オンナゴコロはさまざまだが、イラストレーター・岸田メルさんが2016年10月31日付でツイッターに書き込んだ「分析」が話題となった。

「ブスすぎて嫌だから盛った写メをアップして一瞬でも可愛くなったって錯覚したいのだと心が乙女のワシは思うが、違うかも」
    「この場合のブスとは客観的に誰が見てもブス、ということではなく自分の理想から遠いから自分にとってはブス、ということです」

   これには、同意する投稿が多かった。確かに「自分基準でブス」と「世間一般から見たブス」に差があれば、他人からブス呼ばわりされたときに「そうじゃない」とキレるのも理解できる。

   一方で、「自分はブス」とのつぶやきに、周りから「そんなことない」「かわいい」と反応してしてほしいのではないか、との意見もあった。

「構ってちゃん」の行動パターンか

   岸田さんのツイートに似た話が、2012年10月25日付の「日刊SPA!」に掲載された。「女が判定!11種類のブスを完全類型化」という刺激的な見出しの記事に、「構ってちゃんブス」という分類がある。内容はこうだ。

「女社会での処世術で敢えてブスを自称しているか、もしくは、自分のなかの『かわいい基準』が高すぎて本気で自分をブスだと思っているかのどちらか。いずれにせよ、ブスを自称するくせに、他人からはブスと言われたくない気持ちがある」

   「そんなことないよ」「ブスじゃないよ」と言われるのを待っている「構ってちゃん」というわけだ。

   メンタリストのDaiGoさんは、2013年9月21日付のブログで「構ってちゃん」の行動の原因について説明していた。「人間の持つ基本的な欲求の現れです」としたうえで、「具体的に、必要とされたい、認められたい、評価されたいという承認欲求の現れ」だという。こうした人から直接、四六時中メールが届いたり干渉されたりしたら迷惑だろう。

   だが、仮にツイッター上で不特定多数の相手に向けて「ブス過ぎてツライ」と「構ってツイート」する人がいても、害が及ぶわけではない。DaiGoさんによると、構ってちゃんの対処法は「最小の時間と労力で、相手の感情(承認欲求)を満たしてしまえばいい」というものだ。仮にその人が「ブスじゃないよ」「かわいいね」と言ってもらいたいのだとしたら、温かいコメントを送ってあげるのも優しさかもしれない。