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40代でも20代「美尻」を取り戻す秘策! 1日5分の簡単トレと大股ウォーキング

【美と若さの新常識】(NHKBSプレミアム)2017年9月28日放送 お尻年齢を知れ! 垂れ下がるヒップの正体は?

   垂れ下がるお尻を「オンナの宿命」とあきらめていたアナタ。20代のハリのある「美尻」に戻す秘策が分かってきた。

   それは簡単! お尻の筋肉を鍛えること。放置するとお尻の筋肉に脂肪がたまる恐怖の「霜降り化」が進んでしまう。ヒップの持ち上げ効果抜群な1日5分のゆっくりトレや、歩幅7センチ増でヒップラインを変える歩き方を伝授する。

  • ゆっくり動作で臀群筋を鍛える「ブルガリアン・スクワット」(NHKBSプレミアム「美と若さの新常識」のホームページより)
    ゆっくり動作で臀群筋を鍛える「ブルガリアン・スクワット」(NHKBSプレミアム「美と若さの新常識」のホームページより)
  • ゆっくり動作で臀群筋を鍛える「ブルガリアン・スクワット」(NHKBSプレミアム「美と若さの新常識」のホームページより)

お尻の筋肉の「霜降り化」が「逆ピーマン尻」の根源

   番組では冒頭、女性にとってショックな映像を公開した。20代から30代、40・50代、そして60代以上の4つの段階のお尻の変化だ。20代では丸みを帯びてプリプリした桃のようなお尻が、30代でたわみ始め、40・50代ではウエストのメリハリもなくなり四角形に、そして60代では「逆ピーマン型」にすっかり垂れ下がってしまう。

   この写真を撮影したのは、延べ約4万人の女性の加齢によるヒップの変化を調べてきたワコール人間科学研究所の上家倫子研究員らのグループ。上家さんはお尻に関するある法則を発見した。

上家さん「女性の加齢によるヒップの形の変化は、みなさんが同じステップ、同じ順序で変化していくことが分かりました。しかし、順番は同じですが、変化するスピードは人によって異なります。同じ40代の女性でも20代のお尻の方もいれば、60代に近い方もいます。この差は、極端に言えば10年から20年くらいの見栄えの違いと言えると思います」

   誰もが同じプロセスをたどるお尻の変化だが、そもそもお尻はなぜ垂れてくるのか。人気アイドルグループSKE48出身の市原佑梨さんは30歳。グラビアでも活躍しているが、最近、20代とは違うお尻の変化が気になる。さっそく、市原さんのヒップを江戸川病院院長の整形外科医・加藤正二郎さんに調べてもらった。3Dボディースキャナーでカラダ全体を立体的に計測すると、明らかにヒップが垂れ始めていることが判明。さらにMRI(磁気共鳴画像)を使って、ヒップの中身を調べると、加藤院長から驚きの指摘があった。

加藤院長「運動しないで筋肉を動かさないため、臀部の筋肉が少し脂肪化してきています。(筋肉部分の白い映像を指さしながら)いわゆる『サシ』ができていますね」

   「サシ」とは肉の交雑脂肪のことで、わかりやすくいうと、高級和牛の「霜降り肉」のように筋肉のすき間に脂肪がたまること。専門医学用語では「EMCL」(筋細胞外脂肪)という。脂肪のメカニズムを研究している小川佳宏・東京医科歯科大学教授がこう解説する。

小川教授「ヒップがたわんでくる大きな原因は、皮下脂肪でも内臓脂肪でもなく、EMCLにあります。EMCLは年とともに増えていき、筋肉が『霜降り肉』状態になります。筋肉にハリがなくなり、皮膚や皮下脂肪の重さを支えることができません。また、筋肉自身も脂肪で重くなりますから、垂れさがるのです」

ゆっくり行なうスクワットが、キツイが効果絶大

   ヒップの「霜降り化」を解消する方法はあるのだろうか。市原佑梨さんは、国際武道大学准教授の荒川裕志さんに効率の良いヒップアップトレーニング法を教えてもらった。「ブルガリアン・スクワット」だ(写真参照)。イスなどに足をかけて片足ずつ行なうもので、ヒップ全体の筋肉(臀筋群)や太ももの裏側のハムストリングなどを鍛える。方法は次のとおりだ。

(1)ひざの高さぐらいのイスを用意する。少し前に出て、イスに片足を乗せる。カラダがぐらぐらする場合は壁に手を付いてもオッケイ。

(2)お尻を引いて、お辞儀をしながらしゃがむ。大事なのはしっかりお辞儀をして、お尻を後ろに突き出してしゃがむこと。

(3)ももが地面と平行になるぐらいまでカラダをゆっくり下げる。

(4)上がるときもゆっくりと、力を抜かないよう上がりきる手前まで行なうのがコツ。これを片足10回ずつ2セット行なう。1日たった5分だ。

   大事なのはゆっくり行なうことだ。かなりキツイので、早く終わらせたくなるが、常に負荷がかかるようにゆっくりした動作で行うと、力がいれっぱなし状態になり、非常に効果があがる。足が伸びきってしまうと、負荷がかからず休むことになるので、その手前で次の動作に移る。1日に5分、週3回で成果が出る。毎日やるよりも、むしろ休みを入れたほうが効果は高いという。

   市原佑梨さんは、「ブルガリアン・スクワット」を1か月続け、再び江戸川病院でヒップを計測すると、何とヒップトップが0.5センチアップし、ヒップの下部も1.5センチ上に。臀部の「霜降り肉」状態の白色部分が少し消えて改善した。本当は3か月以上続けるのが望ましいという。

市原さん「最初の2週間は、お尻が痛く、カラダがプルプル震えましたが、3週間目からやるのが楽しくなりました」

   さて、スクワットのような筋トレをわざわざしなくても、毎日の習慣の中でヒップアップ効果になる「運動」がある。大股歩きだ。ワコールの上家さんらは、40代になっても20代の頃のヒップトップを維持している人に注目し、いったい何が普通の40代と違うのか生活習慣を調査した。すると、彼女たちが歩く歩幅はほかの40代に比べ、平均で7センチ長いことがわかった。普段から大股でキビキビ歩くことがヒップアップにつながっていたのだ。

上家さん「私たちの研究では、意識して大股で歩く生活を3か月間続けると、参加した女性たちのヒップの高さが平均で0.5センチ上になりました。1年間続けた人では3センチもアップした例があります。しっかり歩きを続けると体型的にもキレイになるのです」

大股歩きより効果があるのが階段上り

   番組では、実際に歩幅が広い大股歩きと普通歩きでは筋肉の使い方がどう違うか、確かめる実験をした。どの筋肉を使っているのかが色でわかる特殊な装置を身につけ、大股歩きと普通歩きを比べた。すると、歩幅が狭い場合、使われる筋肉はすねやふくらはぎ、太ももの一部だけ。一方、大股歩きの場合、足の筋肉だけではなく、お尻や腹筋など、カラダの広い範囲で筋肉が使われていた。普通歩きに比べて、その差は歴然としていた。日常のちょっとした工夫、大股で歩くことはとても大切なのだ。 東京医科歯科大学の小川教授がこう解説した。

小川教授「1日1万歩ぐらいしっかり歩く。日常的にヒップアップということを意識しながら、少しでも大股で歩いていただくということがいいと思いますね。大股歩きは、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にもとてもオススメですよ。さらに、ヒップアップにいいのは階段を上ることです。できれば、2段上がりで、『ヨイショッ』と声に出して上がるといいですよ(笑)」(小川教授)