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リュックは「おんぶひも」としても使える まさかの遭難に備え知っておくべきこと

【その原因、Xにあり!】(フジテレビ系)2017年9月29日放送
「緊急SOS この秋の危機ワースト20 ―あなたの命を救う方法―」

   遠足気分で登山を楽しむ人が増えているのか、「遭難」の増加が問題となっている。ここ10年で遭難者の数は1.6倍以上に増えたというデータがあるが、救助要請があったものなど警察が把握している件だけで、実際にはもっと多いとみられる。

   救助要請にいたらず、最終的には無事に下山できたケースは「隠れ遭難」と呼ばれる。万が一山道で迷ったり、ケガをしたりしても、正しい判断ができれば、深刻な遭難はせずに帰れる。

  • いざというときにリュックは役立つ(本文と写真は関係ありません)
    いざというときにリュックは役立つ(本文と写真は関係ありません)
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けが人を置いて1人で助けを呼ぶのは危険

   秋晴れのある日、夫婦で山へハイキングに出かけた。山頂で弁当を食べ、景色を楽しみながら下山していたが、16時頃に道に迷ったと気付いた。今来た方向へ戻ろうとしたところで、妻が足をひねってしまった。

   ひねった足の正しい応急処置は「冷やす」だ。

   足をひねると筋肉やじん帯が切れて内出血を起こし、はれや痛みなどの症状が出る。患部を冷やせば、はれ、痛み、炎症の悪化を抑えられる。

   温めると血流が促進され、症状が悪化するおそれがあるのでNGだ。

   足を冷やしているうちに日が暮れてしまった。妻はまだ歩けず、携帯電話もつながらない。

   こんな時は、夫だけで助けを呼びに行かず、妻と一緒にその場にとどまるべし。

   暗くなるとさらにケガをしたり、余計道に迷ったりする危険がある。山岳ガイドの橋谷晃氏によると、実際に遭難から生還した人は、その場にとどまっていた人が多いという。

元来た道に戻るのが大原則

   仮眠を取る場合は、体の下にリュックサックを敷くとよい。

   リュックサックの背当てには柔らかいマットのような素材が使われていて、保温性、断熱性にすぐれている。上下逆さにし、背中側の腰部分のクッションを枕がわりに使うのがオススメだ。

   新聞紙やビニール袋を持っているなら、新聞紙を服の中に巻いて腹巻きがわりにし、ビニール袋に穴を開けて頭からかぶる使い方もできる。

   リュックサックは、緊急時には「おんぶひも」としても使える。

(1)中身を空にし、肩ひもを最大限伸ばす。
(2)上下逆さまにして、肩ひもにけが人の両足を通す。
(3)肩ひもに腕を通し、けが人をおんぶする。

   肩ひもがけが人の尻を支えて安定するので、両手を空けておんぶができる。

   夜が明け、妻の足の状態も少しよくなったので、登山道に戻ることに。この時、下ではなく、上に向かって歩こう。

   道に迷ったら、元来た道に戻るのが大原則だ。登山道は頂上に向かって収束し、下に向かって放射状に分散しているので、上に向かっていけば登山道にぶつかりやすくなる。