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冬に怖いインフル&ノロ 家族全滅を防ぐ看病や手洗いの正しい方法とは

【健康カプセル!ゲンキの時間】(TBS系)2017年12月3日放送
「命を守るドリル インフル・ノロ編」

   いよいよ冬本番、インフルエンザとノロウイルスの流行シーズンがやって来た。国立感染症研究所感染症疫学センターの大石和徳センター長によると、2017年はインフルエンザは12月から流行し、ピークは1~2月に。ノロウイルスは11月から流行が始まり、年末年始にピークを迎えると予測されている。

   命を落とす危険性があり、感染力もきわめて高い二つの病。番組では、万が一かかってしまった時に家族全滅の事態にならないよう、うつさない・うつらない対策を紹介した。

患者が触ったスマホはウイルスの温床

   インフルエンザは、くしゃみやせきをした時のしぶきに含まれるウイルスを吸い込む「飛沫(ひまつ)感染」、感染者が触れたドアノブやスイッチに触り、その手で顔や口、鼻周りに触れて感染する「接触感染」が主な感染経路だ。

   ウイルスが体内に入ると、気管支などに病巣を作る。1個のウイルスが24時間後には約100万個まで増殖し、突然の高熱や頭痛、関節痛、せきなどの症状に見舞われる。

   インフルエンザにかかって寝込んでいる家族を看病する際、感染者が使っているスマートフォン・携帯電話に触れるのはNGだ。インフルエンザウイルスはプラスチックの上では約2日間も生きている。看病する人が触った手で目や鼻をこすると、接触感染の危険性がある。

   感染者のマスクは、表側にも触ってはいけない。マスクを取り替える際は、自分で捨てられるようにゴミ箱を近付けるべし。また健康な人も、使ったマスクを捨てる時は耳掛けの部分を持とう。

   眠る時は別室がベストだ。飛沫感染の予防には、最低1.5メートル離れなければならない。同室で眠るなら、感染者の足側に看病する人の頭が来るようにするとよい。

   湿度が高すぎるとダニやカビが増えるおそれがあるため、加湿器をつける場合は、50~60%の湿度を保つように気をつけよう。

手洗いの時は水を流しっぱなしにして

   ノロウイルスは、食べたものが汚染されていて発症するのが半分、経口感染や飛沫感染、接触感染などで、人から人にうつるのが半分といわれている。感染力はインフルエンザの約1000倍にものぼり、脱水症状で最悪の場合命を落としてしまう。

   感染すると、24~48時間の潜伏期間を経て発症する。体内に入ったウイルスは、他の臓器には目もくれず腸を攻撃し、激しい下痢やおう吐などの症状を引き起こす。

   かかった場合、家族にうつさないためには、トイレのふたを閉めて流すべし。便器の仕様にもよるが、ふたを開けたまま水を流すと、壁やペーパーホルダーにまで飛び散ってしまう。

   ノロウイルス患者の便の中には、1グラムあたり、最大で10億個のウイルスが生息するといわれる。ウイルスは数十個体内に入るだけで感染するので、手が触れやすい場所に汚物が飛び散っていれば、接触感染の危険性が高まる。

   トイレにマットを敷いていたら、繊維に飛び散ったウイルスが染み込む。それが乾燥した状態で人が動くと舞い上がり、落ちてくる途中で次の人が入って吸い込んで、ウイルスが消化管の粘膜に付着し感染、発症するおそれもある。

   ノロウイルスで汚染されたトイレは、塩素系漂白剤で消毒しよう。汚物を直接拭き取る場合、2リットルの水にペットボトルキャップ8杯分の塩素系漂白剤を混ぜた液体を使う。十分換気し、手袋やエプロンなどを着用して使おう。

   感染症予防の基本は「手洗い」だが、正しい洗い方は意外と知られていない。東京女子医科大学感染制御科の満田年宏教授が、感染を防ぐ手洗いを伝授した。

   蛇口を開いたら水は手洗いが終わるまで流しっぱなしにする。水で軽く手を濡らし、手のひらと手の甲を石けんで洗う。手のひらの上で爪の中と表面をこすり、指を曲げて指の中のしわを伸ばして汚れを落とす。指と指の間は、指を組んでこすって洗う。手首を洗う時に手の両脇をこすり、最後に手首から指先にかけて20秒を目安に水で洗い流す。ペーパータオルや清潔なタオルで水分をしっかり拭き取ったら、タオルで蛇口を閉めて終了だ。満田氏いわく、蛇口のハンドルは菌やウイルスが付着した「魔界」。直接触らないのがベストだ。