○秋田県横手地方の「かまくら」(正月行事の一つ)
縦横2m位の雪室をつくり、中に祭壇を設け水神を祭る。夜、数人の子供達が雪室の中に集まり、甘酒や餅などを食べる。
昔は小屋(正月小屋)にこもって飲食を慎しみ、不浄を避けた生活を送る風習が、日本の中部以東でかなり広く行われていた。その変形として、今は子供の楽しい行事となっている。
○札幌の雪祭(2月第1金曜日~日曜日)
動物・神話・伝説・人気マンガのキャラクター・有名な建物などを題材にした、大小さまざまの雪像が立ち並ぶ雪の祭典である。札幌の大通り公園で行われる。
○博多の「どんたく」(5月3日~4日)
「どんたく」とは、オランダ語のZondagのなまりで、休日の意である。馬に乗った神話の神様の仮装行列や、屋台に乗った着飾った子供の行列が、にぎやかに市内をねり歩くほか、種々の芸能大会が催される。
○東京の山王祭(6月15日)
日枝神社の祭礼で、神田祭とともに江戸(現在の東京)の二大祭とされた。しかし、次第に豪華になり、氏子の負担がますます大きくなった。このため氏子の負担を軽減するために、1615年以来、双方が隔年に行われるようになった。これらは天下祭または御用祭とも呼ばれ、山車(だし)行列は一般市民の入ることのできなかった江戸城内まで入ることができた。現在もこの伝統によって隔年に行われる。
○京都の祇園祭(7月1日~31日)
八坂神社の祭礼で、9世紀末に疫病退散を願ったのが起源とされる。16日の夜には、町の旧家は軒に神灯や青簾をかけ、敷物をのべて花を飾り、屏風を立てて祭りに色彩をそえる。また、山鉾(やまほこ)には、提灯が明々とともり、祇園囃子が奏でられる。17日の豪華壮麗な山鉾の巡行で、祭りの雰囲気は最高潮に達する。
○大阪の天神祭(7月25日)
天満宮の祭礼。神輿が堂島川を下る神幸式が中心である。お迎え人形船・ドンドコ船・かがり船・はやし船などが川いっぱいに豪華な船祭りをくりひろげる。
○青森の「ねぶた」祭(8月3日~7日)
大きなはりこの人形・魚・鳥獣などをかついだり、車に乗せて、笛や太鼓の囃子にあわせて「らっせ・らっせ」の掛声にぎやかに市中をひきまわす。夜は内部から照明を照らし、幻想的な雰囲気につつみ込む。
6日夜から7日にかけて、これらを船に乗せて海上をねるのが見ものである。青森地方の夏を色どる風物詩である。
ねむいことを「ねぶたい」ともいうが、この語幹の「ねぶた」をとって、睡魔のことをいうらしい。この睡魔を払う行事が発端である。
○仙台の七夕祭(8月6日~8日)
七夕の伝説(別項「七夕」参照)にちなんでの祭りで、全国で行われるが、とくに仙台のものが有名である。各戸に種々意匠をこらした短冊や吹流しを飾りつけた竹を立てて優美を競うが、ことに商店街では、軒並みに趣向をこらした豪華な飾りつけをして、雰囲気を盛り上げる。
○秋田の竿灯(かんとう)祭(8月5日~7日)
秋田市で行われる七夕祭りの行事である。仕事の妨げとなる一年中の睡魔をはらうことを願うものである。
1本の長い親竹に横竹を結びつけ、それに46個または48個の提灯をぶらさげたものを、バランスをとって頭上・肩先・掌上などに立てる。若者が太鼓の囃子につれて、倒さないように扱う技を競う。
○徳島の阿波踊り(8月12日~15日)
16世紀末に、時の大名がこの地方に入城したのを祝って、住民が踊ったのがはじまりといわれる。
三味線・太鼓・笛などの伴奏につれて、老若男女を問わず、ゆかたがけで踊る。踊りは単純活発で、手びょうし・足どりも面白く、全市をあげて夜を明かして踊り抜く。
○長崎の「おくんち」(10月7日~9日)
諏訪神社の祭礼である。「おくんち」とは、太陰暦9月9日のことで、中国の重陽の節句(中国では、9は陽の数とされ、これを二つ重ねた月日にあたる)にちなんでいる。
中国風の蛇踊りなどがあり、鎖国時代も唯一の開港地だった土地柄をしのばせる。
○京都の時代祭(10月22日)
平安神宮の祭礼である。京都に都がおかれていた、1000余年にわたる風俗・習慣などを、時代別にかたどった行列がくりひろげられ、日本歴史の絵巻物を、目のあたりに見るような美しさである。
○秩父の夜祭り(12月3日)
秩父神社の祭礼で、夜祭りとして有名である。神輿に続いて、ぼんぼりを無数にともした屋台と山車が行進する。はげしいリズムをもつ祭囃子は、秩父屋台囃子として知られている。
○男鹿半島の「なまはげ」(12月31日)
古くから男鹿半島に伝わる変わった行事である。面をかぶり、わらや海草でつくった腰みのをつけて、鬼に仮装した青年達が、張子の出刃包丁・棒・かますなどを持って各家を訪れ、怠け者をいましめて歩く。
「なまはげ」は「なまみはぎ」(生身剥ぎ)の転訛であるが、なまみとは炉端で火にあたってばかりいるときにできる皮膚の火だこのことで、これができるような怠け者を指す。
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日本―その姿と心
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