現在の日本のポピュラーソングを大まかに分けると、歌謡曲、J-POP、ニューミュージックなどがある。歌謡曲はさらに演歌とその他の日本的ムード歌曲に分けられる。
演歌は市井の日本人の感情を歌った大衆歌謡で、戦前から1980年代までは日本の流行歌の主流を占めていた。演歌の多くは日本古来の民謡の特色である5音階法(西洋音楽の7音階から第4音と第7音を抜いた「ヨナ抜き音階」と呼ばれるもの)を使って古賀政雄が定着させた「古賀メロディー」を基調としている。その歌詞の「海、酒、涙、雨、北国、雪、故郷、母親、わびしさ、思い出、夜汽車、別れ」などの内容やそれぞれの歌手の小節(こぶし)を利かせた特有の歌唱法とあいまって、もの悲しく、暗く、どこか哀愁を帯びた演歌のメロディーは日本人の感情に深く訴えるものであった。戦後、美空ひばりなどの巨匠を得て一時期は演歌全盛時代が続いた。この背景には、演歌が戦後日本の復興と経済発展を支えるために農村から都会に出てきた多くの人々の「失われた故郷(ふるさと)への思い」を満たすものであったという事情もあった。日本で開発され世界的に広がったカラオケも大衆歌謡の全国的浸透を助けた。
しかし、1980年代後半からは所得水準の向上、新幹線・航空路・高速道路の整備、さらにはテレビはじめITネットワークによる高速情報通信メディアの発達に伴い農村と都会の較差は平準化され、国の経済的・文化的一体化が急速に進んだ。この状況の中で地方と都会を結びつける演歌の役割はずっと小さくなった。近年、演歌の愛好者は往時を懐かしむ高齢者が主体となっている。
時代は若い世代を中心として、演歌に代わって多様な新しく明るい音楽を求めるようになった。こうした気運にこたえて登場したのがニューミュージック、J-POPであった。サザンオールスターズなどがその初期の代表とされる(J-POPという用語はFMラジオ曲のJ-WAVEが作ったもので、ジャパニーズポップスの意味である。のちにニューミュージックの多くもこの名で呼ばれるようになった)。J-POPはアメリカンミュージックの影響を強く受けて、リズムやテンポが軽く明るい曲が多いが、本質は日本人の作った日本語の音楽である。演歌を「地方と都会」の結合というならば、J-POPは「洋楽と日本」の結合ということができる。J-POPのアーティストはシンガーソングライター(自分で作詞作曲する歌手)が多く、曲目・演奏者ともにますます多様化している。
J-POPは、日本国内だけでなく海外特に東アジア諸国でも広く受け入れられている。
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日本―その姿と心
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左から順番に書籍(日英対訳版)、書籍(日中対訳版)、CD-ROM(第7版準拠/日・英・中・韓対訳版)、DVDⅠ巻(全3巻、1989年制作版)
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