不況の折、受注仕事の競争は激しくなっています。発注する側としては、価格が安いに越したことはありませんが、やはり重要なのは品質と納期。受注側がこれをきちんと守るためには、ときには相手の感情を害さないようにしながら、発注者と上手に交渉することが必要となります。
得意先から、新規の商品開発の依頼が来ました。打ち合わせに出かけたA君は、先方の希望を聞きましたが、希望どおりのスペックのものを作ろうとすると、先方の指定した納期ではとても間に合いません。納期の交渉をしたいのですが、どう切り出せばよいでしょうか?
A.大変申し訳ございません。ご希望の品質のものを納品しようとすると、あと1週間ほど必要です。いかがいたしましょうか?
B.それはかなりタイトな納期ですね・・・。ちょっと厳しいのですが。
C.すみませんが、その納期で仕上げるのは無理です。もう少し納期を伸ばしていただけませんか?
分かりましたか? 答えはAです。無理な要求を出されたからと言って、即座に断るのは相手の心証を悪くすることになります。できるだけ応えたいという姿勢を示すことが大切です。その上で「この条件なら可能です」という提案をしましょう。
問題を提示したあとに、解決策を提案しましょう。交渉の際には、「納期に間に合わない」という都合の悪い《マイナス》情報の後に、「これだけの時間があれば納品できます」と解決策《プラス》を提示した上で、先方の判断を仰ぎます。マイナスのあとにプラスの情報を出すほうが、相手も納得してOKを出しやすくなるでしょう。
ポイント2:「ポジティブ変換法」の法則相手の要求に応える姿勢をアピールしましょう。納期が厳しくても品質を落とせないのは、得意先も重々承知のはず。Bのように単に「納期が厳しい」というよりも、「要求される品質を守るために時間が必要」であることをアピールしたほうが説得力があります。
ポイント3:「お詫び」の法則明らかに得意先が無理な要求をしているのだとしても、Cのように最初から「無理です」と否定してしまうのは好ましくありません。最初に謝ることで、要求どおりにできないことを心から申し訳ないと思っている気持ちを表します。このような場合は「大変」をつけてより丁寧に。
(続く)

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