社員が営業車で交通事故 「全額弁償しろ!」と言えるのか

2011/9/ 2 11:59

   仕事で毎日のように車に乗っていれば、車体に擦り傷のひとつやふたつは誰でも作ってしまうものだろう。始末書を書かされるたび、「車の運転の必要がない内勤社員はうらやましい」と不満に思う人もいるに違いない。

   ある会社では、優良ドライバーの営業マンが自損事故を起こしたことをきっかけに、人事担当者が会社の処分のあり方について頭を悩ませている。

「こっちは仕事で乗ってるのに」と反論

――飲食チェーンの人事です。先日、営業のAさんが社用の営業車で自損事故を起こしてしまいました。ガードレールに擦り、片側のドア交換が必要になりました。

   営業社員には車に関する不始末をする者が少なくない中で、Aさんはこれまで交通違反もなく、事故も起こしたことがありません。

   珍しいなと思い、本人に聞いてみると「事故当時のことは、よく覚えていない」とのこと。前日に飲み歩いたということもなく、遅くまで仕事をしていたそうです。

   とりあえず不注意運転ということで、始末書を取ろうとしましたが、営業部長のBさんが

「悪いのはAだろ?全額弁償させるのが当たり前じゃないか!」

と口を挟んできました。

   考えてみると、これまでの処分もB部長の一存で決まっており、重さも人によってまちまち。B部長の大声を聞いたAさんは、人事部に来て、

「こっちは仕事で乗ってるんですよ。責任を全部部下に押し付けようだなんて、どうかしてる。それに今月は休日出勤が続いて、まだ1日も休んでないんだ。ホントやってられない。まったくやる気を削ぐことしか言わない部長だよね」

と憤慨しています。さらには、事故の影響でムチウチになって通院しているけど、医療費は会社が出すべきだ、そのうちまとめて請求するとまで言い出しました。

   B部長の放言のせいでAさんがヘソを曲げてしまったようなのですが、こういうときはどうすればいいのでしょうか――

(続く)

尾崎 健一(おざき・けんいち)

臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て、2007年に独立。ライフワーク・ストレスアカデミー代表として企業のコンサルティングを行いながら、秋田大学医学系研究科で自殺予防の研究に携わっている。『ケーススタディ 認知行動カウンセリング』(至文堂)に執筆者として参画。共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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