2024年 4月 26日 (金)

この習慣が命取り がん再発の「トリガー」とは

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   がんは、とてもやっかいな病気だ。手術や抗がん剤治療、放射線治療などによってがん細胞を取り除き、腫瘍マーカーなどの検査数値が正常値になったとしても、医学的に「治った」という表現を用いない。

   診断上の「完治」とは、寛解状態(がんが検査で確認できない)が5年以上続くこと。常に再発のリスクが潜んでいるため、治療後も引き続き通院して定期検査を受ける必要がある。再発の「トリガー」となる要因には、ふだんの日常生活が関係しているという。

治療しても「がんの芽」は完全になくなっていない

コーヒーは肝がんに対する「ほぼ確実」な予防効果があると言われている
コーヒーは肝がんに対する「ほぼ確実」な予防効果があると言われている

   がん細胞は、もともとは自分の細胞だ。その遺伝子になんらかのエラーが生じ、そこに多様な要因が関与して細胞が異常に増殖するようになり、最終的には正常な細胞を傷害してしまうようになる。

   それも、いきなりがん細胞に変わるわけではなく、5~10年など長い年月をかけて、がん細胞に成長していくと考えられている。がん細胞の前段階である「がんの芽」は健康な人にも毎日発生しているが、免疫力が高ければそれを押さえ込み、がん細胞は発生しないとされている。

   治療でがん細胞を取り除いたとしても、体内の「がんの芽」はなくなっていない。がん細胞が再発するリスクは、誰もが抱えているのだ。治療が終わったからと安心せず、再発予防という新たなステップの始まりととらえよう。

   では、どのような生活習慣が再発に関係しているのだろうか。国立がん研究センターが2011年に発表している「生活習慣改善によるがん予防法の開発に関する研究」では、喫煙や飲酒は多くのがんにおいて、そのリスクの確実性が示されている。

   野菜や果物は食道がんに、コーヒーは肝がんに、緑茶は女性において胃がんに、「ほぼ確実」な予防効果があるようだ。

   ただし、その他の食品、栄養素に関しては、多くのがんにおいて科学的根拠が「不十分」という評価となっている。がんは発生した臓器の場所、進行状態、本人の体力などによって治療の経過がかなり異なるため、データを集めにくいという側面があるからだ。

野菜の摂取、適正体重、疲労やストレス軽減も重要

   がんの再発防止と生活や食事との因果関係は、米国対がん協会がまとめた「第二版報告書」(2003年)も参考になる。さまざまな生活習慣について、「再発防止」「QOLの向上」「生存期間の延長」といった観点で、「利益があるかどうか」を判定している。

   たとえば「野菜や果物の摂取量を増やすこと」は、乳がんや大腸がん、肺がん、前立腺がんにおいて再発予防に取り入れる価値があるとされる「A2判定」(おそらく確実に有効性がある)や「A3判定」(有効な可能性がある)となっている。

   がんの食事療法では、大量の野菜・果物ジュースがすすめられるものが多いが、この結果を考えると再発予防のための選択肢のひとつになるだろう。

   また、「適正体重の維持」や「運動量の増加」は、乳がんと大腸がんでそれぞれ「A2判定」、「A3判定」とされている。肥満の防止だけでなく、治療で体重が減ってしまった場合には栄養を十分とって適正体重まで戻すことが大切だ。

   外出するのがおっくうになって家に閉じこもったり、栄養バランスの崩れた食事をとっていたりしていると、がん再発のリスクは高くなるだろう。発がん性物質を含むタバコや過度な飲酒も立派なトリガーとなる。

   極端な心身の疲労や過度なストレスもよくない。治療後しばらくは無理をせず、再発したらどうしようとクヨクヨせず、目標や楽しみを見つけて生き生きと暮らすことも重要。がん体質を改善できるかどうかが、再発予防の分かれ目になりそうだ。

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