2024年 3月 29日 (金)

日本のフリーランスが、東南アジアへ大量に移住する日

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   オフショア開発やアウトソーシング、クラウドソーシングという言葉がまた注目を浴びています。新興国に仕事を格安で発注することが容易になっています。

   価格破壊が進んでいて、日本人は戦々恐々としています。どんどん過当競争になって、単価が下がっています。以前話題になりましたが、ロゴの制作がひとつ5000円といったものも。行きつくところまで行きついた、ということでしょう。

   定型的なITの開発やデザイン、翻訳や会計処理といった新興国の人でも十分できる仕事は、新興国単価に向かってどんどん価格が下がっていきます。このことに、日本が食えなくなると怒る人もいます。

グローバル化に反対するにも政府のカネは有限

仕事がグローバル化しているなら、自分もグローバル化すればいい
仕事がグローバル化しているなら、自分もグローバル化すればいい

   一方で、新興国の人から見ると逆になります。農業や工場で働くのではなく、より単価の高いホワイトカラーの仕事をネット上で受注できるようになったのですから。彼らは、その単価でも収入は増えているのです。

   かつては仕事が国境に閉じていたために、こういうことはなかったわけです。国境を開いたのは、いわずもがなIT技術。ITが世界をフラット化するとは、こういうことです。

   途上国の人は二重に有利です。先進国から仕事を受ければ報酬は上がっていくのに、自国の物価は安いままです。相対的にどんどん豊かになります。

   先進国の人は二重に不利です。新興国に仕事を奪われ単価が下がるのに、自国の物価は容易には下がりません。相対的に暮らし向きはどんどん悪くなります。ですから、先進国の人は悲鳴をあげています。これに関しては、まだ誰にも答が見えない。

   打開するには、必死にグローバル化に反対するしかないように思います。規制を強化して外国の物が入ってこなくしたり、外国に発注できないようにする。

   政府が価格維持政策をして、国産の技術を採用したり補助金をつける。そして、それでも単価が下がるものに対しては、所得を補填する。もちろん、日本国政府に無限のお金があればそういうこともできるでしょうが、長くは続きません。

   しかし、論理的に考えると、もう一つの選択肢があるのではないでしょうか。つまりグローバル化に逆らわない方法です。

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中