「インターナショナル面接官」が聞きたい8つのポイント アメリカ人50人を評価して見えてきたこと

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   2年生になって、MBAの受験生の面接をしています。面接は、書類をオンラインで提出後、選抜された人が進む「最後の関門」です。私は入学審査官による「面接官になるための面接」を経て採用されたのですが、ここまで一対一の面接、そしてグループディスカッションで50人以上を評価しました。

   これが恐ろしく勉強になります。まず英語コミュニケーション能力。大半はアメリカ人受験生ですが、合格を勝ち取ろうと緊張して、普段の数割増しで弾丸トークしてきます。最初は私のほうがきちんと会話が成り立つかビビっていたのですが(笑)、この1年半培ってきたコミュニケーション能力をフル活用して集大成のつもりで取り組んでおり、だいぶ慣れてきました。。もうひとつは「限られた時間で人を見る力」です。面接時間はわずか30分~40分。この中で判断を下すのに十分なエピソードを引き出していくのは難しい。また、今後の海外展開を考えると「日本人以外を評価する」というのは貴重な経験です。

キーワードは「IとWeの主語のバランス」「成果より学び」

「インターナショナル面接官」が聞きたい8つのポイント
「インターナショナル面接官」が聞きたい8つのポイント

   この年になると、会社でのOB訪問や面接の経験もあります。大学や会社の面接評価基準は当然明らかにしませんが、「インターナショナル面接官」として個人的に国内外で何を感じてきたか、共通する8のポイントを紹介します。

1) 夢は重要。きっかけはもっと重要

「夢」、つまりキャリアゴールを持つことは重要です。よく聞くのが「MBAで学んだ後は○○業界に行って、将来は自分で起業したい」というものですが、面接官が知りたいのは、キャリアゴールが今の延長線上にあるかに加え、その夢を持つに至った「きっかけ」や問題意識。ここの切れ味で「夢の魅力」が決まります。

2) ポジティブにキャリア話を紡ぐ

前職と現職が違ったり、大学の専攻と業界が異なったりすることはままあります。ここで「この職業が合っていなかったので別の道を選んだ」といったネガティブな理由を聞かされるとがっかりします。「自分のこういうスキルを補強したかった」「こういうきっかけで、この分野にチャレンジしたくなった」など、ポジティブに語る術はいくらでもあるはずです。

3) 「I」と「We」の主語のバランスが肝

これは「自分が」となりがちなアメリカ人ですら見落としがち!例えば「チームで何かを成し遂げた経験と、あなたが果たした役割を話してください」という質問で「前半」に力が入りすぎて「後半」が疎かになる。「私たち(We)の課題はAで、Bを実施することによってCを成し遂げた」という語り方に終始せず、「チーム(We)はこういう人員構成で、私(I)の役割はこれで、自分はこういう部分でチームに貢献し、ここでこういう風に上司やメンバーと協力して、結果として我々(We)はこれを成し遂げた」という「I」と「We」とバランスの取れた語り方のほうが納得度が高いです。

4) 「成果」よりも「学んだこと」

さらに重要なのがその「成果」から「何を学んだか」。例えば「会社に○○億円の成果をもたらした」で終わってしまう人もいるのですが、数字は上には上がいるものだし、面接官も聞き飽きています。「○○をするには○○が重要だと分かった」などのTake Awayを本当は知りたいのです。

「短所」をチャンスに!さらに自分を売り込むためのポイント

5) 「短所」は「機会」だと思え!

例えば、アメリカで真面目に勉強して仕事をしてきた人の中には国際経験があまりない人もいます。そういう人から「自分には国際ビジネスの経験が足りない。だからこそ、ミシガン大学のMBAの強みである海外での実践的なプロジェクトに参加したいのだ」と聞くと、「短所」が「機会」にポジティブに変わっていると感じます。

6) International Experience

MBAでも新卒採用でもキャリアチェンジでもこの質問が聞かれるケースが増えてきているのではないでしょうか。ここでも重要なのは「行った国の数」でもなく「仕事を成功させた業績」という成果だけでなく「どんなカルチャーショックを受けて何を学んだか」です。

7) 具体例で補強せよ

この連載でも、書けないことは多いながらも具体例を示すことを心がけています。「海外でのプロジェクトに興味がある」というのと、「6人7国籍のチームで米企業のコンサルティングを行って多様性あるチームをマネジメントする楽しさを知ったので、海外プロジェクトでさらに能力を伸ばしたい」というのとではどちらが説得力がありますか?

8) 質問は「興味」を示すチャンス

面接の時間が押していても、最後にQ&Aの時間は必ず取ります。アメリカでは、授業やミーティングだけでなく、面接においても「質問しないのは興味がないのと一緒」です。「知人を通じてこういうカルチャーだと聞いたのだが本当か」など、興味を示しつつ面接官が気持ちよく答えそうな質問を用意しましょう。

   いかがでしたでしょうか?当然仕事の能力があるのが大前提ですが、こうしたキャリアの語り方を身につけることは、就職、転職、さらには組織の中でのキャリア形成にも役立つのではないかと考えます。(室健)

室 健(むろ・たけし)
1978年生まれ。東京大学工学部建築学科卒、同大学院修了。2003年博報堂入社。プランナーとして自動車、電機、ヘルスケア業界のPR、マーケティング、ブランディングの戦略立案を行う。現在は「日本企業のグローバル・マーケティングの変革」「日本のクリエイティビティの世界展開」をテーマに米ミシガン大学MBAプログラムに社費留学中(2014年5月卒業予定)。主な実績としてカンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルPR部門シルバー、日本広告業協会懸賞論文入選など。
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