「3億5千万円集めた主婦」が「村上海賊」映画 中小企業による現代の「財宝探し」

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   全国の書店員が「いちばん!売りたい」本を選ぶ2014年度本屋大賞に、和田竜氏の『村上海賊の娘』(新潮社)が選ばれた。本屋大賞は今回が11回目。昨年、『海賊とよばれた男』(講談社)で大賞を受賞した百田尚樹氏が大ブレークしたように、本屋大賞の影響力は年々大きくなっている。

   愛媛県今治市宮窪町の村上水軍博物館では、小説の主人公の景(きょう)の父である村上武吉や兄弟の元吉、景親のゆかりの品々や、和田氏の小説のゲラ刷りを展示した企画展を開催している(6月15日まで)。

社長「映像を通じて現代の語り部になりたい」

   ところで、『村上海賊の娘』の受賞と軌を一にして、映画『瀬戸内海賊物語』が5月31日から全国公開される。2011年に開催された「瀬戸内国際こども映画祭」エンジェルロード脚本賞のグランプリ作品受賞者である大森研一氏が自らメガホンをとった。こちらは村上海賊の娘ではなく、末裔の少女たちが島の危機を救うため、村上水軍の財宝探しに乗り出すアドベンチャー映画。4月9日には完成披露試写会舞台あいさつが行われ、主演の柴田杏花さんをはじめ内藤剛志さん、小泉孝太郎さん、中村玉緒さんらが登壇した。

   プロデュースした映画制作会社は平成プロジェクト(東京都千代田区)。この会社は2003年にイランとの合作映画『風の絨毯』を制作したのを皮切りに、ドキュメンタリー映画『平成職人の挑戦』『蘇る玉虫厨子』『海峡をつなぐ光』や、段ボールで巨大な城をつくってしまった『築城せよ!』など、教科書では教えない技術の伝承や歴史を中心としたユニークな視点の映画を数多く手掛けてきた。益田祐美子社長は「映像を通じて現代の語り部になりたい。夢は大きく、志は高く、仕事は楽しく。右手にロマン、左手にソロバンを抱えて」と、普通の主婦から映画制作に乗り出した。著書に『3億5千万を集めた主婦は、世界をつなぐ映画プロデューサー。』(河出書房新社)などがある。

   普通の主婦が、夢と現実の狭間で骨太の作品を提供し続ける様は、多くのメディアから共感を呼び、映画が公開されるたびに新聞、雑誌、テレビなどに取り上げられてきた。和田竜氏は『瀬戸内海賊物語』に対して「海賊版スタンド・バイ・ミー!海賊の宝など探したことはありませんが、何だか懐かしい気分に包まれた」とコメントを寄せた。今年は、村上海賊が一躍、注目を集める年になりそうだ。

印刷物の画像を認識させ、映像コンテンツなどへ誘導

   映像つながりで、もうひとつ中小企業の話題を紹介したい。ファミリーマートや東芝のCMを手掛けてきた映像制作会社のエフ・リンクス(東京都渋谷区)が、携帯電話でカタログなどの画像を読み取り、WEB上の映像コンテンツやホームページへ次々にリンクさせる「ARコンテンツジャンパー」(商標登録済み)のサービスを5月から始める。QRコード(二次元バーコード)の代わりに、印刷物の画像を認識させて、映像・文字コンテンツやホームページに誘導するもので、複数のコンテンツのリンクが容易に行える。画像認識の無料スマホアプリ「COCOAR」を開発したスターティアラボ(東京都新宿区)から使用権を取得した。

   これを使うと、営業マンが現場でカタログの静止画から動画にリンクさせ、さらに品種や価格表、ホームページなどにリンクさせて、より効果的な営業活動を行うことが可能になる。観光地であれば、マップから観光地全体の紹介動画、各店の紹介動画などにリンクでき、外国語対応も行える。また、百科事典なら静止画から動画にリンクさせて、より詳しい解説が行える。エフ・リンクスのモットーは、ハイクオリティー、ローコスト、ハイスピード。映像制作業界の吉野屋とも言われているだけに、価格は業界最低水準に設定するとのこと。ニュースリリースは4月下旬の見通しだ。(管野吉信)

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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