「理系学生へのレポート教育」の現状 「約7割、引用なしのコピペ・丸写し」の例も

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   「でんじろうさん」の出現以来、世の中実験ブームである。テレビでも様々な理科実験が行われ、「いくらなんでも驚き過ぎだろうっ!!」ってぐらい芸能人が派手なリアクションをとってくれる。あのリアクションだったら実験もやりがいがあるだろうなぁ~

   私もリクエストに応えてボランティアで高校や中学校に出向いて実験を披露することがある。「未来のノーベル賞科学者になるかもしれませんので、是非、うちの『幼稚園』に来て、園児に実験をみせてください」なんてリクエストがあったこともある。なるほどな、そうすると将来、「私がノーベル賞をもらえたのは、幼稚園の頃、XYZ教授が理科の楽しさを教えてくれたからです」なんて感想が聞けるかもしれないわけだ、これは長生きしなければ。

レポートも「あんなもの」扱い

まさかコピペ?
まさかコピペ?

   老若男女、本当に幼稚園児から中高年まで理科実験を好きな人は多い。特に、理科好きのお母さんなんて、息子そっちのけで、楽しむ、楽しむ。リケジョは壮年になっても向学心にあふれている。

   中・高生に実験を体験してもらった後、よく「実験、面白かった?」と聞く、すると「面白かった~、理科の授業では実験が一番好き~」。空気が読める現代っ子ではあるが、まあ、笑顔なので本心だろう(と信じたい)。で、次に聞くのが「でも、実験やったら、必ずレポート書かされるでしょう?」。この質問を聞いた途端、声のトーンが暗くなり「そうなんです~。レポートさえなければ楽しいのに~、なんで、あんなもの書かなきゃいけないんですかぁ~?」。レポートも「あんなもの」扱いとは、かわいそうな限りである。

   理系に限らず文系も一緒だと思うが「行った事や、その結果&考察した事」をレポートにする能力を学生時代に鍛え上げる必要がある。まあどのみち、卒業論文を書かないと卒業できない。しかし、無垢な新入生に実験レポートを提出させると、縦書きの四百字詰め原稿用紙にレポートを書いてきたりする……「ん?何がおかしいの?」と思うあなた、ズバリ、文系でしょう!!文学小説を書くわけではないので、理系のレポートは横書きのレポート用紙に書くのが常識である。

「ひょっとしてこれが『デジャブ』か……」

   そこで、入学当初はレポートのフォーマットから教え始めて、徐々に内容を充実させていくように指導することとなる。実験レポートは学生の勉強という意味合いも強いので、結果や考察ばかりでなく調べたこともいろいろ書かせる必要がある。

   すると、一部の学生のレポートはその内容の70%ぐらいは引用なしで本の丸写しやネット情報のコピペとなってしまう。どこかで聞いたような話であるが、その場合は、引用する場合のルールや著作権の問題など科学レポートの常識を教え、再提出させることとなる。しかし、高学年になっても「ん?さっきも、これ読んだよな。ひょっとしてこれが『デジャブ』か……」と思わせる数通のレポートが出現することがままある。その場合は、もう一年、同じ実験を行ってもらうという事で。(プロフェッサーXYZ)

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
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