「不出来な管理職」は社長の鏡である

印刷

   今回は、先週登場した元キャバクラ店長経験者の自称「女性労働力活性化コンサルタント」Gさんが、飲み屋のカウンター席で常連客たちの質問に答えた「女性の活性化具体策」をいくつか紹介します。

目標を持って働くことの大切さ

100回ほめる!
100回ほめる!

   まずアクセサリー店を3店舗経営しているHさんの質問。

「若い女性スタッフって長続きしない子が多くないですか。店長に怒鳴られたとか、シフトの関係でちょっと出勤日が不公平だとか、ちょっとしたことですぐに辞めちゃう。やめて『あそこはブラックだ』とか言いまわったりするタチの悪いやつもいて、困っています」

   Gさんの回答。

「採用の段階で、じっくり面接してますか。ルックスが良いからとか、性格が明るそうとか、そんな安易な基準で採用してませんか。キャバクラでも定着率の悪い店は、たいていルックス重視採用。うちで働く目的は何なのか、いつまでに何をどうしたいのか、つまり自分なりの目標を持っているか確認することです。それがない子は何かあるとすぐ辞めてしまいます。小さくとも、現実味がなくとも夢や目標を持っているなら、会社の一員になった時点で3年後の将来像を描かせるのがいいです。心が折れそうになり辞めたくなった時に、「今辞めて本当にいいのかい」と本人を思いとどまらせる材料にもなりますから」

   これは男性社員も同じことが言えそうです。目標なく、のんべんだらりと働いているから、なにか少しでも嫌なことが起きると辞めたくなってしまう。会社を辞めることに抵抗感が強かった終身雇用が原則の昔と違って、転職のハンデもほとんどないだけに、今は嫌なら辞めればいいとなりやすいもの。自己目標をしっかりと持たせ、会社のビジョンのもと、組織目標達成を通じて自己目標を実現に近づけていくこと。自己啓発セミナーなどでは毎度語られる部分でもありますが、男女問わず目標を持って働くことの大切さは同じなのです。

「一人につき100回ほめてあげて』

   次に、携帯電話販売業経営のYさんの質問。

「指導しても販売実績が伸びない子は、向上心に乏しいと思うんですよ。どうせ私は成績優秀になれるわけがないから、このまま雇ってもらえる間やれる範囲でやればいい、みたいな。草食系女性スタッフって言うのかな。彼女たちの向上心ってどのように育てたらいいのものか、困ってます」

   これに対するGさんの回答。

「よく言われることですけど、上司は些細なことでもほめてあげること。若い女性スタッフは社会経験が浅く自分に自信が持てていない子が多いので、特に効果的です。それと、『お客さんの○○さんがほめていたよ』といった感じで、第三者の言葉でなるべくほめてあげてください。私がいろいろな企業で女性の活躍をお手伝いする場面では、『一人につき100回ほめてあげることで、スタッフを一人前にしてあげてください』とお願いしています」

   このお話は、私の銀行時代の経験からもかなり実感があります。Gさんが言うように、若い女性スタッフは社会人としてまだまだ自信が持てずにいることが多く、上司やお客さんからのほめ言葉は彼女たちにとっての成功体験でもあり、最高の成長剤なのです。また一人をほめると、ほめが偏ってはいけないという意識が上司には働くので、他のスタッフをほめる材料を探そうと思って今まで以上によくスタッフを観察するようにもなりますから一石二鳥でもあると、私は自己の経験から思います。

「ほめる・叱る」の重要性

   もうひとつ、地域のレストランチェーン店を経営するTさんからの質問。

「商売柄、若い女性スタッフが多いので、忙しくない時などにどうも店内の雰囲気が乱れがちのようです。店長に言わせると、なれ合い、友達感覚などで職場規律がうまくない感じでして、私の知り合いのお客さまからも、食べ物はおいしいのにスタッフ教育が少々残念などと言われる始末です。厳しくし過ぎて辞められても困るし、いいわいいわじゃ今のままですから、スタッフ教育をどうしたものかと・・・」

   Gさんの答えは、

「それはスタッフ教育の問題と言うよりも、管理の仕組みと管理者教育の問題でしょうね。管理のポイントは3点。ルール化、朝会の実施、信賞必罰の徹底です。本社指定のルールは毎日の朝会でしつこいくらいに徹底する。そして、よくできた者はほめ、ルール違反者には厳しく接する。大切なことは、違反を叱れない管理者が御社のような「ぬるま湯職場」をつくるということ。スタッフ教育の前に、信賞必罰が徹底できる管理者教育ですね。その前に社長自身がほめる、叱るができなくては話になりませんよ」

   Tさんは、この話を聞いてうなずきながらも少しバツの悪そうな顔をして、黙ってしまいました。ほめる、叱るがちゃんとできない経営者は意外に多いのです。管理者に不平不満を感じる経営者は多いですが、その不平不満の原因が実は経営者自身にあるということもよくある話です。「管理者は社長の鏡である」ということをお忘れなく。

   自称女性労働力活性化コンサルタントGさんの、キャバクラ店長経験が教える女性が活躍する職場づくりのコツ。ぜひ参考にしてみてください。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter
コメント・口コミを投稿する
コメント・口コミを入力
ハンドルネーム
コメント・口コミ
   

※誹謗中傷や差別的発言、不愉快にさせるようなコメント・口コミは掲載しない場合があります。
コメント・口コミの掲載基準については、コメント・口コミに関する諸注意をご一読ください。

注目情報PR
追悼
シニアの健康ライフ
Slownetからのおすすめ記事(提携)

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中