観光地もキャリアも「合わせて一本!」をめざせ

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   外国から、日本に人を呼び、魅力を伝えるには、という話で、京都在住の方のスレで色々議論した。

   どうしたら外国から日本に人が呼べるのだろうか?

   2つの重要な視点を提起したい。複合技と、OSを揃えるということだ。

   今回は複合技の大切さについて書く。

京都への観光客を増やすには

ホイアンの旧市街の夜。ランタン(提灯)がトレードマーク
ホイアンの旧市街の夜。ランタン(提灯)がトレードマーク

   京都は、歴史があり、文化があり、素晴らしい場所だとおもう。それは疑いようがない。

   ただ、世界にはもっと分かりやすい遺産があり、なんの努力なしで、単に比べられたら勝ち目がない。

   北京の紫禁城などは、何もわからなくてもとにかく物質的に凄く、分かりやすい。アンコールワット、ローマの遺跡なども、圧倒的で、だれでもその凄さがわかる。

   一方で、京都は玄人向けだろう。私が中学生くらいで京都に言った時はその歴史的な意味がわからず、解説もないので、さっぱりわからなかった。外国人も中学生レベルとそれほどかわりない。

   そういった意味では、私が住んでいるベトナムの世界遺産もそんなかんじだ。たとえば観光客が急増しているホイアンという世界遺産の古都は、観光資源としては京都にとてもかなわないほどの小粒な場所だ。町は小さく、半日あればすべて見ることができてしまう。もちろん独特の趣もあるし、歴史もあり、素晴らしい場所だとおもうが、たとえば同じような雰囲気の古都である中国の麗江と比べると、規模も歴史も比べ物にならない。

   しかし、この地が急激に観光客を増やしているのはなぜか?PRがうまいからではない。実は、近くにビーチリゾートがあるからだと分析している。古都から5分ほどタクシーに乗ればビーチに着く。あたりは近年開発され、国際的な高級リゾートが並んでいる。ベトナムでも有数の高級リゾートがこの地帯にある。独立したヴィラタイプで、プライベートプールがあり、スパも受けられるような5つ星リゾートだ。

   古都の規模や古さでは中国に負け、ビーチや海の綺麗さではモルジブなどに叶わないが、この2つが近接して楽しめる場所は、世界でもなかなかない 小規模な古都だけなら1日で見終わってしまうし、ビーチだけでも退屈だ。だが、この2つが同時にあると、とても魅力的になる。ひとつひとつは小粒でも、組み合わせることでの独自の魅力を出すという典型的な面白い例だと思う。あわせて一本という観光地である。

「一緒になっている」ことの意味

ベトナム中部のリゾートホテル。プールから海を眺めながら・・・
ベトナム中部のリゾートホテル。プールから海を眺めながら・・・

   京都の場合、単体でやっていける可能性もあるが、合わせ技もあるといいのではと思う。そうなると、大阪界隈の都市のエネルギーとの対比がおもしろいだろう。カジノがあれば尚良い。現代のエネルギッシュ大都市と、歴史ある古都、これにうまい食べ物がついて、1時間程度の移動範囲の中にあれば、極めて魅力的だ。そういう総合的な打ち出し方が、大事だと思う。

   最近、カジノの解禁で話題になっている統合リゾートだが、あれも、ホテルとカンファレンスとカジノが一緒になっているから意味がある。カジノは不健全だから、じゃあカジノ無しでやろうといって、それで成り立つかというとそうではない。

   最後は強引にキャリアの話になるが、合わせて一本については、キャリアについても言える。

   たとえば、日本語だけ話せて京都に詳しいガイドはいくらでもいるだろう。また大阪の裏側に詳しいガイドもいるだろう。しかし、その両方を十分なレベルで出来て、さらに英語と中国語が出来るガイドがいたら、客は、めちゃくちゃ楽しんで帰れるはずだ。たぶん口コミの指名だけで、仕事が絶えないはずだし、チップも弾むだろう。

   そして、今後、国内のキャリアで生き残っていくには、そういうポジショニングが一番大事だと思う。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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