彼氏の影響で、あっさり「研究放棄」するリケジョ

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   「お二人が結婚する日を迎えることができるなんて、心から嬉しい限りです!!」。祝辞のスタートは、まあこんな感じで大丈夫だな。

   教え子の披露宴の席で、あいさつの順番を待ちながら、ただいま頭の中で祝辞内容を最終チェック中だ。しかし、こういう席での祝辞は苦手だな。何度か頼まれたテレビやラジオで好き勝手しゃべっていた方が、まだ緊張しないなぁ~

学科内でも数組のカップルが存在する

おめでとう!?!
おめでとう!?!

――男子が多い理系学部であるので、比較的少ないが披露宴に招待されることもある、たいてい祝辞つきで。知り合いの女子大の先生(女性)なんて、年に何回呼ばれるか分からないという話、それも祝辞つきで。懐具合も苦しいので辞退することも多いとか。

「まさか、『ブーケ』トスを教え子と争うわけにもいかないでしょ~」

と笑いながらおっしゃった。ちなみに私と同年代で独身ね。

   でも、赤裸々な人間関係が暴露されたりするので、近頃はブーケトスは流行らないと聞いた。例えば、だれも受け取ろうとしなかったり・・・。つまり、その先生、最近は辞退されてるんでしょう。

   大学生ともなればお年頃でもあるし、学科内でも数組のカップルが存在する。「つき合ってます」と公言しているわけではないが、いつも一緒に並んで座っていれば、推測はつくわなぁ~。そのまわりだけラブラブの雰囲気が漂ってるし。まあ、でもそこは犬も喰わない男女の仲。晴れの日もあれば曇りの日もある。二人の間にどよ~んとした雰囲気が漂い始め、いつの間にか別々に座っている、で、そのうちお互いに別の異性と隣同士で座っていたりする・・・

   うちの学科では恋愛方法を教える講義はないが、これも人生勉強だろう。前に紹介したように、モチベーションアップ効果で学業に『プラス』の場合もあるしね。まあ、『マイナス』になることもあるわけだが。

「研究テーマに興味がなくなっちゃいましたぁ~」

   そういえば、とある日、卒業研究も頑張り大学院に進学した期待のリケジョが、深刻そうな顔で私のもとに相談に来たなぁ。

「先生、研究テーマに興味がなくなっちゃいました~」
「えっ?『やり残したテーマを大学院で研究するんだ』って意気込んでたじゃない??」
「別に、やりたいことができたんです~。マーケティングの勉強とかぁ~、おいしいレストランメニューの開発とかぁ~」
「・・・うちの研究分野と全く違うんだけど?」
「だって、ファミレスでアルバイトしてる彼氏が、『将来、一緒にお店をやろう』って。その役に立つ勉強をしたいんです~」
「・・・」(心の中で『さて、知り合いの文系の先生に相談してみるか』)

――あっ、いかん、いかん、気を取り直して祝辞の確認を続けなきゃ。私の順番はもうすぐだ。え~っと、もう一度、念のため新婦の顔と名前を確認しないと。元カノの名前と間違っちゃ大変だしな。(プロフェッサーXYZ)

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
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