人気企業は合同説明会に期待しない それでも参加している理由

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   いよいよ、今週末の(2015年)3月1日(日曜)に就活の広報解禁となります。この解禁に合わせて展開されるイベントが就職情報会社主催の合同説明会。

   というわけで今回のテーマは、合同説明会(通称・合説)についてです。

合説ってそもそも何?

お話を・・・
お話を・・・

   合説こと、合同説明会とは、企業が複数ブースを出展し、合同で説明会を実施するイベントのことです。

   就職情報会社主催のものだと、東京ならビッグサイトや東京ドーム、大阪なら大阪ドームにインテックス大阪、福岡なら福岡ドームなど、大きな会場で実施します。

   学生からすれば、1日でまとめて企業の説明を聞くことができるので便利。

   福岡で実施の合説には、九州や山口、岡山あたりの大学がバスを仕立てて学生を参加させるために連れていくほど。

   それから、地方大の学生によっては、東京や大阪の合説にわざわざ参加する学生もいるようです。理由としては、自分の大学にはなかなか来ない人気企業の説明会に参加するため。

合説の最悪パターンは人気企業狙い?

   地方大生に限らず、人気企業の話を聞きたい、と考える学生は多数います。合説を実施する就職情報会社もそのことは分かっていて、人気企業の参加を目玉として扱っています。

   そうした人気企業狙いの学生の方には申し訳ない話を。合説の間違った使い方、と言えば、人気企業のブースに行くことです。

   と言いますのも、派手に展開していますが、参加している大企業の多くは、合同説明会からの採用をあきらめています。

   考えてもみてください。札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7か所で就職情報会社6社のイベントが展開されています。30分の説明会を1日5回繰り返して、人気企業ならそうですねえ、おそらく定員50人でも100人でも埋まるはず。

   100人として1日5回で500人、7か所で6社それぞれやって全部参加したとしたら? 「(1日5回×100人)×7か所×6社」で......、これだけで2.1万人ですね。

   これに自社内での説明会に大学内での説明会などを考えれば、延べ人数でどう少なく見ても3万人、あるいは4万人行くかもしれません。3万から4万人が参加して、それで新卒採用者数は金融大手で1000人超。大体の企業は300人でも多い方、100人でも大企業に入ります。

   まあ、300人としても、説明会の参加者数3万人として内定がもらえる確率はわずか1%。100人採用の企業だと0.33%。絶望的な確率、と思いません?

   大企業からすれば、合同説明会で無理に宣伝して説明会参加者数を集めても、手間がかかるだけです。

   欲しい人材が多く集まっている大学に行って、学内説明会の開催数を増やした方が都合はいいのです。

人気企業が参加する3つの理由

   では、なぜ、人気企業が合同説明会に参加するのか、と言えば、推定される理由は3つ。


・その1:客集め

   就職情報会社が合同説明会の目玉として参加を要請。その代わり参加費は他社に比べるとタダ同然。ナビの方も割引になるなら行ってもまあいいか、という程度。


・その2:ランキング対策

   就職情報会社が毎年出す就職人気ランキングに合同説明会が影響している。企業全体(または幹部)がランキングを気にしているため、対策として参加せざるを得ない。


・その3:「消費者」としての対策

   学生を新卒採用の対象とは実は見ていない。ただ、消費者として見た場合、サンプル調査や新商品告知などで便利だから参加している。


   このうちの1つ、もしくは複数に該当するからこそ大企業は参加しています。いずれにしても、学生からすれば、合同企業説明会で大企業のブースに寄ってもあまり意味はありません。

3月合説、行く価値はある? ない?

   3月の合説に行く気だった学生、あるいは参加を前提に地方から東京や大阪に行く予定だった学生は、「えー」という話でしょう。が、まあ、真実なので。

   それでは、3月の合説、行く価値がないか、と言えばそんなことはありません。無理に複数回ることはないでしょうけど、1度は参加してもいいのではないでしょうか。参加の仕方の例をご紹介します。


・その1:人気企業のブースを1か所だけ参加

   さんざんケチをつけた人気企業ブースですが、どれだけ人が多いか、お祭り気分を味わう、という意味では行ってもいいと思います。ただし、1~2か所程度にしておかないと、人が多すぎて疲れるだけ。そこは注意しましょう。


・その2:知名度の低いメーカー・商社のブースに参加

   知名度が低い企業は大企業・人気企業と違い、高い参加費を払っています。そうした企業は、それだけ採用意欲があるからこそ参加しています。学生には知名度が低くても実は優良企業というところも。そうした企業のブースは立ち寄る価値があります。


・その3:えてして不人気の流通・小売り・外食・パチンコホール運営企業のブースに参加

   特にパチンコホール運営企業のブースは、筆者が知る限り、どの合説でもガラガラか、説明会のたびに数人程度しかいません。

   ここにあえて参加することをお勧めします。と言っても、選考参加ないし入社を勧めているわけではありません。

   不人気企業であれば、採用担当者もその分だけ、暇を持て余しています。話せる機会も他の企業よりも長いはず。

   そこで、あえて参加してあれこれ質問し、社会人との会話の練習代わりにするのです。

   他の業界・企業を志望しているなら、その志望業界との関連性を聞いてみてもいいでしょう。接客関連の企業を目指しているなら、接客について聞いてみるのもあり。

地方から東京・大阪の合説に参加したら

   地方から、わざわざ東京ないし大阪の合説に参加する学生もいるか、と思います。その場合、プラスアルファで考えてほしいのは、他大学の学生との交流です。

   友人などがいれば飲み会でもいいですし、いなければいないで、オフ会にして同じ就活生を集めるのもいいでしょう。

   飲み会はちょっと、という方は、キャリぷら(東京は飯田橋、大阪は本町)、私学事業団就職活動サポートセンターやジョブラスセミナーの利用がお薦め。

   キャリぷらは、学生が自由に利用できる民間キャリアセンター。初回に利用登録(無料)をすれば、センター内で本を読む、エントリーシートを書く、休憩する、スタッフなどに就活相談をする、などその辺は自由。

   私学事業団学生就職活動サポートセンターは、日本私立学校振興・共済事業団が運営。基本的にはキャリぷらと同じ。場所は東京・大手町と大阪・本町の2か所。ただし、こちらは、事前予約制であり、かつ、私立大生限定である点が違います。まあ、私立大の関連団体運営なので、国公立大生はあきらめてください。

   ジョブラスセミナーは、アイデムが運営する就職情報サイト・ジョブラスのセミナー。全国で実施しているのですが、開催回数が多いのはやはり東京と大阪。なお、参加は事前申込制で、ジョブラスの登録が必要です。

   さらに、ずうずうしい(好意的に評価すれば行動力あり)学生だと、無関係の大学の学内合説にも参加する、という例もありました。

合説は行くなら、学内か中盤以降

   合同説明会は参加するとしたら、就活解禁日のものよりも、4年生秋以降に各地のハローワークやジョブカフェ、中小企業家同友会などが主催するものの方が重要です。

   4年生秋・冬でも新卒採用を募集する、ということはそれだけ採用意欲がある、ということですから。もちろん、それまでに内定が決まっていればいいですが、一応念のため。

   それと、3月であれば、大学内の合説も重要。その大学の学生を欲しい、と参加企業はピンポイントで狙って来るわけです。他の合説よりも、内定を得やすい企業、と言えるでしょう。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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