「勝ちパターン」VS「挑戦→失敗→進化」 営業に必要な姿勢とは

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   できる営業は「勝ちパターン」を見つけ、徹底的に繰り返す傾向があります。手間を惜しみたいというよりは、確率論を重要視するからだと思います。商売は「商い=飽きない」と言いますが、愚直に勝ちパターンを繰り返すのは仕事ながら我慢との戦いとも言えます。

失敗を恐れない

勝ちパターンでいくか、それとも・・・
勝ちパターンでいくか、それとも・・・

   ただ、過去の成功体験を繰り返すことは成功への近道。ゆえに当方も若き営業時代は

「この企画でクレームをいただいたことは1回たりともございません」

と、過去の提案内容を精査して作成した提案書を繰り返し活用していたときがありました。説明する内容も大体同じ。当然ながら流暢になります。さらに、お客様からのネガティブな反応が出た時の対処法も周到に準備。「この話をするのは、今日で3回目だ」。でも気持ちを込めて取り組むと、仕事は着実に舞い込みました。まさに飽きないことが勝ち・・・なのかもしれません。ただ、そんな勝ちパターンでも仕事にならない商談があります。例えば、

「当社は、お決まりの提案など求めていない」

と他との違いを打ち出さないと許してくれない場合。勝ちパターンを打ち出したことが逆効果になってしまうわけです。こうした、失敗の機会をどのように活かすか?

   営業の仕事に限らず、あらゆるビジネスでは、失敗の原因を分析して、同じ失敗を二度と繰り返さないように行動を修正していくと、能力がどんどんアップしていきます。ですから、失敗を恐れないようにしたいものです。失敗を数多く経験すればするほど、あなたの営業力は高まっていきます。例えば、営業プロセスの途中で商談自体がなくなってしまうことが割と頻繁にあります。ヒアリングの段階で、窓口担当者が

「来年度以降、新商品を開発する予定なのだよね。何か面白いプロモーションのアイデアがあったら教えてよ」

と言うので、後日、プロモーションの提案書を持って行くと、担当者の上司は

「来年の企画なんて全然決まっていない」

と言う。こうした窓口担当者と上司との連携が取れていないケースはざらです。

バランスの取れた取り組みが大事

   では、この失敗の原因は何でしょうか?それは窓口担当者にしか話を聞かなかったことです。その上司や周辺の人にも話を聞いて、計画が本当かどうかをよく確認しなければなりませんでした。自分に落ち度があったのです。しかし、この教訓からヒアリングの段階で注意すべきことがわかったのですから、落ち込む必要はありません。それを基本行動のルールに付け加えればいい。「なぜ失敗したのか?」を考えるだけでなく、「どうしたら同じ失敗を二度と繰り返さずに、最終的に契約につなげられるようなヒアリングができるだろうか?」と、建設的かつ具体的に考えることが重要です。失敗から得た教訓や解決策は、成功パターンの基本行動のルールにオプションとして入れれば、成功パターンがまた一つ、進化します。一番良くないのは、失敗から目をそらし、教訓やノウハウを何一つ学ばないことです。

   さて、こう考えると確率論に頼り、同じ勝ちパターンを愚直に取り組むだけの営業は如何なものか?新しい営業手法に挑戦して、失敗して、そこから進化する勇気こそ大事にも思えます。結論として、愚直を基本にしつつ、ときには挑戦を忘れないバランスの取れた取り組みが大事なのでしょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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