「気分の悪い理不尽な対応」の会社 実例公開、こんなコトが実際に

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   このところ仕事の現場で、気分の悪い理不尽な応対を受けることが増えたように思います。複数の知り合いにその話をしてみると「最近多いですね」「私もよく出くわします」等の声が聞こえてきました。理不尽対応に何となく共通項を感じてもいたので、原因は何であるのか少し考えてみました。

   まず私が近年遭遇した、気分の悪い理不尽対応の実例を挙げます。

どれもビジネス・マナー違反

やっぱりキャンセルしよう
やっぱりキャンセルしよう
・メールで依頼事項を送っても、常に催促をしないと返事が来ない
・こちらから依頼したことが進捗せず、確認をとると臆することなく「より重要性の高い案件を優先したため」との理由で開き直る(2件)
・自己の要求ばかりを主張し、こちらの要望に対して聞く姿勢を見せない
・予約を入れたアポイントの変更を、自分の都合で変更を申し出てくる(しかも変更不可を伝えると、平気でキャンセルしてくる)
・合意の上で前にすすめていた話を、社内的な理由で突然一方的にキャンセルする(2件)

   どれもハッキリ言ってビジネス・マナー違反。これらはみな同じ人物の行動ではなくて、異なる企業の異なる人物の行動なのです。彼らが所属する企業はと言えば、業種はものづくりあり、サービス業あり、ITあり。新興市場上場企業あり、中小企業あり。しかし、ある共通点に気がつきました。それは経営者に関するものです。

   経営者の年齢には若干の幅はありながら、皆さん他社勤務経験のないか薄い方ばかり。要するに他人の釜の飯をちゃんと食べたことがない方々だったのです。彼らは、自営から起業あるいは同じような、仲間ノリのベンチャー企業で数年を過ごした後に起業した30~40代前半の若い社長だったのです。彼らはヤング・ベンチャーと区分けできるでしょう。

「実力主義」「社長が若く風通しがよい」・・・との関係

   ヤング・ベンチャーの社長は一言で申し上げると、たいてい自身がしっかりした社会人教育を受けることなく経営者になってしまい、かつ短期間で成功し社長のイスに座っている本人には仕事を進める上でビジネス・マナーが必要であるという自覚がない。また、社員には成果を優先して求める傾向が強く、基本的なビジネス・マナーを身につけさせる必要性を感じていない、と言うのが私が見て来たヤング・ベンチャー企業社長の標準像です。

   2000年代以降、若年起業を目指す傾向はある種のトレンドでもあり、独自のアイデアや技術力をもって一躍ビジネスシーンに躍り出て、20代で上場企業の経営者になるなどと言う例も決して珍しくない時代になってきました。また、そのような例がメディアで大きく報道されることで、それに続けとばかりに若者の起業熱を煽り、ヤング・ベンチャーは世に溢れんばかりの数になっているのです。

   そんなわけで、私も最近はそう言った会社とのお付き合いがかなり増えています。社長が30代の会社では、社員の平均年齢は大抵20代半ばから後半。彼らになぜヤング・ベンチャーを仕事場として選んだのかと尋ねてみると、2~3の理由を挙げる中で必ずといってほど出てくるのが、「実力主義」「社長が若く風通しがよい」「当面の目標人物が社長」というものがあります。このあたりにこそ、ビジネス・マナー欠如の原因はありそうです。

   「実力主義」と言えば聞こえはいいのですが、要は成果偏重。マナーは悪くとも成果が上がればそれでよしという風潮が社内にあるなら、私が受けたビジネス・マナー違反の対応も十分にあり得ることと思われるところです。

社員一人ひとりこそ、会社の看板

   「社長が若く風通しがよい」「当面の目標人物が社長」も危険です。社長はどこまで行って社長ですから、例え若くとも対外的に社長然とした対応をとるのは当たり前のこと。しかし、社長と社長を目標とする社員の年代が近く直接モノが言える『風通しの良い』企業では、社長の振る舞いはそのまま「社員の行動手本」ともなりかねず、それをさらに自分流にアレンジしてしまえば、相手から見ればいたって横柄な対応にもなりかねないのです。

   1990年代のこと、ある若い経営者がアパレル製造で急成長していました。社長は典型的なイケイケタイプで、自前の店舗を急拡大し海外への工場移転も計画。いよいよ上場かという段になって些細な不祥事が起きました。すると、取引先は掌を返したように冷たくなり、銀行も一斉にストップ。結局、同社は危機を脱することができず、大手に身売りしました。

   なぜ皆去っていったのか。取引先も銀行も、社員のマナーの悪さから会社に良いイメージを持っていなかったのです。他行支店長も「やっぱりでしたね」と言いました。些細な不祥事は根底にあった悪いイメージを前面に押し出すこととなり、企業は消滅したのです。

   私が知る勝ち組の発展を続けるベンチャー企業は、社員一人ひとりのビジネス・マナーもしっかりできています。「社長は会社の顔」とはよく聞く言葉ですが、私は「社員一人ひとりこそ、会社の看板」と思います。薄汚れた看板は企業の信用力に暗い影を落とします。

   経営者、特に若い社長の皆さんには、自社を発展させていきたいと思うならまず、日頃から会社の看板を磨くこと。すなわち、社員のビジネス・マナー教育に力を入れるべきと切に思うところです。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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