逆張りビジネスの考え方(高城幸司)

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   中国経済はGDPの伸び率が25年ぶりの低水準となるなど、大減速の様相を呈する報道が続いています。株価が大暴落して、強制的に取引を止めるサーキットブレーカーが発動。取引が中止となりました。この余波は日本とアメリカにも及び、各国で年初から大幅な株安を招くことにもなっています。

   さらに、大気汚染の元凶となっている石炭の消費が減り、石炭の価格が下落。鉄鋼やセメント、硝子などの工業系製造業全体が閉塞気味。こうなると、当然ながら「中国は危ない」「中国ビジネスから手を引くべき」とのネガティブな意見が蔓延するようになりました。ただ、本当にそうなのか?

中国とのビジネスの将来性をどう見るか

中国ビジネスへの見方も様々
中国ビジネスへの見方も様々

   中国とのビジネスに関して、ネガティブでない意見を口にする人もいます。例えば、薬品・健康関連製品のメーカーは変わらず、高い消費に対応したインバウンド・輸出を前提にビジネスを展開しています。すべての日本企業が中国ビジネスに対してネガティブなわけではないのです。

   このように全体的にはネガティブな意見の蔓延する状況で、あえてポジティブな可能性を探る「逆張り」の発想をもってみませんか?成功したときには莫大な特典を得ることができます。今回は逆張りの発想をテーマにしたいと思います。

   例えば、景気が悪くなると飲食業界では「単価の高い店は流行らない」と、立ち飲み屋ばかりが出店されます。でも、だれもが立ち飲み屋で飲んでいるわけではありません。立ってもいいから安く飲みたい人とは別に、少々お金かけても静かな店でゆっくり飲みたいという人も必ずいます。あるいは旅行業界はいまネット化していて、パソコンや携帯からかんたんに予約できます。

   ところが、先日、家族旅行をしようと思ってネットで探したのですが、行きは飛行機、帰りは船で別ルートにしたいなど、オーダーメイドを希望したとたんに、ネットは対応できなくなります。「大阪から高野山に入って、帰りは京都に出たい」なんていう場合はお手上げ。でも、旅行代理店の窓口に行けば、かんたんに手配してくれます。窓口のほうが早くて確実なのです。そう考えれば、旅行業でもカウンターセールスという逆張りのビジネスに可能性があるのです。

「残存者利益」をおさえる

   こうした逆張りの発想で大事にしたいのは、「残存者利益」をおさえること。残存者利益とは、過当競争や収縮傾向にある市場において、競争相手が撤退したあと、生き残った企業のみが市場を独占することで得られる利益。他社がすべて撤退してしまえば、まったく競争がなく、小さな市場でも利益を獲得することが可能です。

   さらに、一度は衰退した市場が再び活性化すれば、踏みとどまった企業は利益を独り占めすることができます(他社も同じように残存者利益を求めて撤退しないことを決めれば、悲惨な泥沼の競争になりかねないので注意が必要)。

   その典型と言われているのがカシオの電子辞書。シェアトップであるカシオの電子辞書事業の売上高は約320億円で、営業利益率も20%近い高水準を維持しています。価格に関しても、「今後もスマホの影響によって価格が変化することは考えづらい」とのこと。仮に中国ビジネスを考えるときに、一時的に中国経済が不調になっても堅調に残るビジネスチャンスは何かを考え見極めるのです。中国でなくても構いません。残存者利益をおさえて、逆張りの発想をもってみましょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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